ただのオシャレ? エンジンカバーの役割とは エンジンの進化を補う「素材」の実力

あの家庭用スポンジと同じ素材がエンジンカバーに?

 エンジンカバーは多くの場合、樹脂(プラスチック)のものが使われています。世界の自動車メーカーに、その素材を提供しているサプライヤーのひとつが、ドイツに拠点を置く化学メーカーのBASF。同社のメラミン樹脂素材「バソテクト」が、ベンツやフォルクスワーゲンのエンジンカバーなどに採用されているそうです。

「エンジンが小型化され高性能となるなかで、熱や騒音をもたらすようになりました。そこで、耐熱・断熱性と吸音性に優れた熱硬化性メラミン樹脂によるエンジンカバーで、これらの課題を解決しているのです。当社の製品はほかに、ボンネット裏のインシュレーター(防音材)やギアボックスカバーなどにも採用されています」(BASFの日本法人・BASFジャパン)

 メラミン樹脂は耐熱温度240度。自動車用のほか、コップなどの食器や、建築の吸音材、防音剤など様々な用途があります。BASFによると、これをスポンジ状にしたものも建築素材や掃除用具として使われているとのこと。家庭の台所などで見られる、洗剤を使わず水だけで茶渋や水あかが落ちる「メラミンスポンジ」にもBASFの「バソテクト」が採用されているといいます。

BMW3シリーズのエンジンルーム。

 ちなみに、BASFジャパンによると、メラミン樹脂はもともと建築素材などとしての用途が先で、たまたま「汚れが落ちる」という性能が見つかったことから、あのスポンジが誕生したのだそうです。

【了】

【写真】エンジンカバーのさらに下にも…(5枚)

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