仏プジョーCEO、富士で宣言! 「アッパーメインストリーム戦略」で欧州シェア拡大狙う 「ステアバイワイヤ」も投入へ 今後の日本市場は?
プジョーCEOが富士でブランドの未来を語りました。逆境の欧州市場でシェアを拡大しトップ3を目指す一方、電動化を加速。F1技術由来の次世代ステアリングで「運転の喜び」を再定義する。成長著しい日本市場の重要性も強調し、グローバルでの勝算を示しています。
プジョーCEOが富士で語るブランドの未来:電動化と革新で「ドライビングの喜び」を再定義
2025年9月27日、FIA 世界耐久選手権(WEC)第7戦の舞台である富士スピードウェイにて、プジョーのブランドCEO アラン・ファヴェ氏がプレゼンテーションを行い、ブランドのグローバル戦略と将来の展望を明らかにしました。
ファヴェCEOは、厳しい市場環境の中でも成長を続けるプジョーの強みと、電動化やイノベーションを通じて「ドライビングの喜び」を追求し続けるという固い決意を語りました。

ファヴェCEOはまず、グローバル市場が全体で4%成長しているものの、地域によって大きなばらつきがあると指摘。欧州市場が3%縮小する一方で、アジア太平洋地域は成長を遂げている現状を説明しました。
このような状況下で、プジョーはグローバルで力強い成長を見せています。特にアジア太平洋地域では今年22%増という目覚ましい成長を記録しており、ファヴェCEOは「その成長を牽引しているのが日本市場です」と述べ、日本市場の重要性を強調しました。
プジョーの揺るぎない基盤は、伝統的な本拠地である欧州市場にあります。市場全体が縮小する厳しい環境にもかかわらず、販売増を達成し、着実にマーケットシェアを拡大しています。
現在の欧州シェアは5.7%で市場5位ですが、2位のルノー(6.5%)とは僅差です。ファヴェCEOは「今後5年間でシェアを7%まで引き上げ、欧州市場の表彰台、つまりトップ3に入ることを目指します」と力強く宣言しました。
この成功の背景には、生産の大部分をフランスやスペインといった欧州域内で行うという戦略があり、これが高い品質とブランドイメージを支えていると説明しました。
プレゼンテーションでは、プジョーが未来のモビリティ市場を勝ち抜くための具体的な戦略が示されました。
●ブランドの位置づけ
プジョーは自らを「アッパーメインストリーム(上位の量販ブランド)」と定義しています。これは、高級ブランドと低価格ブランドの中間に位置し、手の届く価格帯でありながら、デザインや品質、革新性で高い価値を提供するという戦略です。
●電動化への強いコミットメント
プジョーは脱炭素社会への貢献をブランドの重要な使命と捉えています。現在、量販車ブランドの中で最も幅広い電気自動車(EV)のラインナップを誇り、ハイブリッド市場においても欧州でトヨタに次ぐ第2位の地位を確立しています。
●イノベーションによる運転体験の革新
プジョーは常にイノベーションを追求してきました。その象徴が、小径ステアリングとデジタルメーターを組み合わせた「i-Cockpit」です。最新の「パノラミックi-Cockpit」では、21インチのスクリーンが浮いているかのような未来的な空間を演出します。
さらに、ファヴェCEOは2年後に導入予定の次世代技術「Hypersquare(ハイパースクエア)」を紹介しました。
これは、航空機やF1で採用される「ステアバイワイヤ」技術を量販車に初めて導入するもので、ステアリングとタイヤが物理的に接続されない革新的なシステムです。これにより、これまでにない直感的で新しい運転感覚が実現されるとしています。

またプジョーブランドを際立たせる3つの魅力として、ファヴェCEOは、プジョーが他のブランドと一線を画す独自の魅力として、以下を挙げました。
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●フレンチカリスマ(フランスらしさ):200年以上の歴史に裏打ちされた、エレガンスと創意工夫に満ちたデザイン。
●ドライビングセンセーション(運転の感覚): i-Cockpitに代表される、俊敏でダイナミックな、運転する喜びそのもの。
●デザイン・トゥ・ラスト(品質への約束): 高い品質の製品とサービスを提供し続けることによる、顧客との揺るぎない信頼関係。
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最後にファヴェCEOは日本市場への期待として、「日本のディーラーパートナーの情熱とブランドへの献身に深い感銘を受けている」と述べ、「日本チームが素晴らしい仕事を続け、販売台数を伸ばしてくれると確信しています」と期待を寄せました。
また、今回のWEC富士6時間耐久レースへの参戦が、日本におけるブランドの認知度とイメージをさらに高めるための重要な機会であるとの認識を示しました。
伝統と革新を両輪に、プジョーはこれからも世界中のドライバーに新たな「運転の喜び」を提供していくことを力強く約束し、プレゼンテーションを締めくくりました。
Writer: くるまのニュース編集部
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