世界遺産を結ぶ大動脈に変化! 名古屋-富山が快適に!? 東海北陸道「白川郷~五箇山」の一部が4車線化! 10月24日から対面通行解消へ
NEXCO中日本は、E41 東海北陸自動車道の白川郷ICから五箇山IC間の一部区間において、4車線化工事が完成し、2025年10月24日14時から利用可能になると発表しました。これにより長年の課題であった対面通行が解消され、安全性が大きく向上します。世界遺産を結ぶ重要な観光・物流ルートの利便性向上に期待が集まりますが、一部で車線が減少する区間もあり、走行には注意が必要です
世界遺産を結ぶ大動脈、東海北陸道がさらに快適に
岐阜県と富山県を結び、日本の大動脈の一つとして重要な役割を担う東海北陸自動車道。
特に、世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」へのアクセスルートとして、国内外から多くの観光客に利用されています。
また、豪雪地帯を貫くこの道路は、地域の暮らしや産業を支えるライフラインでもあります。
この東海北陸道において、ドライバーにとって長年の悲願であった4車線化事業がまた一つ、大きな進展を迎えました。

NEXCO中日本は2025年9月25日、岐阜県の白川郷インターチェンジ(IC)と富山県の五箇山インターチェンジ(IC)を結ぶ区間の一部で、4車線化工事が完成したことを発表しました。
これにより、暫定2車線で対面通行となっていた区間が、上下線それぞれ2車線の道路へと生まれ変わります。
今回新たに4車線として利用できるようになるのは、白川郷ICから五箇山IC方面へ向かう約2.8kmの区間です。供用開始は、2025年10月24日の午後2時を予定しています。
この区間の4車線化は、NEXCO中日本が事業を進めている飛騨清見ICから小矢部砺波ジャンクション(JCT)間における全体計画の一部です。
山深く、トンネルや橋梁が連続する厳しい条件下で、工事は着実に進められてきました。今回の完成は、全線4車線化に向けた重要な一歩となります。
4車線化がもたらす最大のメリットは、なんといっても安全性の向上です。
これまでの暫定2車線区間では、センターポールなどで仕切られているとはいえ、上下線が同じ空間を走行する対面通行でした。
そのため、常に正面衝突の危険性が潜んでおり、ドライバーにとっては緊張を強いられる区間でした。
今回の工事完成により、上下線が物理的に完全に分離されるため、正面衝突のリスクが根本から解消され、誰もが安心してハンドルを握れるようになります。
また、定時性やネットワークの信頼性向上も大きな効果として期待されています。
対面通行区間では、事故や故障車が発生すると、即座に通行止めに至るケースが少なくありませんでした。
4車線化によって車線に余裕が生まれることで、交通障害が発生した際も車線規制などで対応できる可能性が高まり、通行止めによる長時間の影響を最小限に抑えることができます。
さらに、これは災害時における重要な役割にもつながります。
自然災害などによって一部の道路が寸断された場合でも、代替ルートとしての機能を維持しやすくなる「リダンダンシー(冗長性)」が確保されるのです。
これは、万が一の事態が発生した際に、地域社会の孤立を防ぎ、迅速な復旧活動を支える上で極めて重要な意味を持ちます。
多くのメリットが期待される今回の4車線化ですが、ドライバーが注意すべき点もあります。
NEXCO中日本によると、今回はあくまで「一部区間」での完成となります。そのため、新たに完成するトンネル内において、上り線(名古屋方面)の車線数が2車線から1車線へと減少する箇所が存在します。
4車線区間を走行してきた車両が、再び対面通行区間に合流する形になるため、十分な車間距離を保ち、速度を守って走行することが求められます。
現場には車線減少を知らせる標識や案内が設置されるといい、ドライバーはこれらの情報を見落とさず、周囲の状況をよく確認しながら安全運転を心がける必要があります。
全線の4車線化が完成するまでは、こうした暫定的な交通規制区間が残ることになります。快適になった区間でも油断することなく、全線を通して思いやりのある運転をすることが大切です。
東海北陸道の4車線化事業は、今後も残る区間で工事が進められていきます。今回の完成を皮切りに、全線がより安全で信頼性の高い高速道路へと進化していくことに、大きな期待が寄せられています。
Writer: くるまのニュース編集部
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