「ゲツエース」は、千葉県匝瑳市に拠点を置くカスタムショップ「B-DASH」が製作し、東京オートサロン2024で披露したワンオフのカスタムカーです。

　その核心にあるのは、「ハイエースの面影を完全に消し去る」という極めて野心的なコンセプトです。

　エクステリア最大の特徴は、「ランドクルーザー300」のフロントフェイスを完全に移植した点です。

　WALD製のフロントスポイラーやSTINGER製のリアバンパーといった名だたるブランドのエアロパーツが装着されていますが、これらは単なる取り付けではなく、異なる車種のパーツをボディラインに完璧に融合させるため、切削・成形・接合といった高度なワンオフ作業が行われた「加工」の産物です。

　インテリアも豪華で、運転席と助手席にはレカロ製シートが導入され、後部座席や天井（ルーフライニング）に至るまで、エクステリアカラーと調和する形で張り替えが施されました。インフォテインメントの中核にはカロッツェリア製ナビが採用されています。

　ラゲッジスペースには、イベント会場などで車外の聴衆に向けて大音量を再生することを目的とした、サウンドコンペティション仕様の“外向きオーディオ”がDIECOCK製システムとして搭載されています。

　パワートレインはベース車両から受け継いだ2.7リッターガソリンエンジンを搭載。足回りにはボルドワールド製のエアサスペンションが組み込まれ、展示時には地面に吸い付くような極低車高を実現しています。

　このゲツエースを生み出したB-DASHは、パーツの大量販売ではなく、他では真似のできない複雑なワンオフ作業など、職人技そのものを主要な商品とする高付加価値なビジネスモデルを持つプロショップです。

　ゲツエースは、まさにB-DASHの技術力を示すものと言えるでしょう。顔面移植はボディワーク技術を、美しい塗装は塗装技術を、DIECOCKオーディオは音響技術を、それぞれ体現し、車両全体がB-DASHの中核技術をアピールするショーケースとしなっています。