三菱「パジェロ」2026年に復活へ!? 伝説の「本格クロカン」は“原点回帰”を図って登場か! 3列シート&豪華装備で悪路・快適性もアップ! 三菱の「新フラッグシップ」どうなるのか
かつて人気を誇った三菱の本格SUV「パジェロ」が復活するのではないかと言われています。今登場するならば、どのようなクルマになるのでしょうか。
新型「パジェロ」は真の“原点回帰”になるか
2025年9月6日、三菱自動車工業(三菱)の伝説的SUVである「パジェロ」が2026年12月に復活する、との報道がNHKからあったことで、再びパジェロへの注目が高まっています。
もし復活するならば、新型パジェロはどんなクルマになるのでしょうか。

三菱パジェロは、1982年に初代が登場。長年、三菱が生産を続けてきたクロカン「ジープ」の4WD車ノウハウを活かした高い悪路走破性を受け継ぎつつ、乗用性能を重視したSUVとして誕生しました。
その初代で参戦した過酷なラリーレース「パリ・ダカールラリー(パリダカ)」での活躍も話題となり、たちまち人気車へと成長。本格的な4WD車を必要とする個人から法人まで幅広く愛されてきました。
バブル期の1991年に投入された2代目は、より快適性と豪華さが高められたことで、大ヒット。自慢の4WDメカニズムも、より使いやすく進化しました。
さらに1999年登場の3代目は、ラダーフレーム構造を取り入れたモノコックボディへと進化したことで、より快適性が向上されました。
2006年登場の4代目は、パジェロ史上最強のトルクを発揮するクリーンディーゼルエンジンや電子制御による走破性能の向上なども図られるなど、新世代パジェロに相応しい進化を遂げました。
しかし、2010年代になると、街乗りSUVの台頭や環境車でもある「アウトランダーPHEV」の活躍もあり、販売台数は大きく減少。そして2019年9月に国内向けモデルの生産を終了しました。
さらに2021年7月には、製造を請け負う岐阜県坂祝(さかほぎ)町の子会社「パジェロ製造」の工場閉鎖をもって、海外向けモデルの製造も終了し、その歴史に幕を下ろしました。
ただ、ここでパジェロの歴史に終止符が打たれたわけではありません。
パジェロには、弟分である海外仕様「パジェロスポーツ」が存在しており、現在も世界各地で活躍中です。
このパジェロスポーツは、日本とも縁のあるクルマ。初代モデルは、日本で製造されていた「チャレンジャー」です。
1996年に、2代目パジェロのラダーフレームを受け継ぐSUVとして登場しました。日本では2001年にて販売を終了しましたが、海外モデルは継続。
2007年には、新開発のラダーフレームを採用した2代目モデルが投入。2015年には、現行型となる3世代目へと進化しており、現在もグローバルで販売が継続されています。
海外モデルとなったパジェロスポーツは、PPV(ピックアップパッセンジャービークル)。つまり、同じラダーフレームを持つピックアップトラック「トライトン」と基本を共有するSUVとなっています。
そのトライトンは2023年7月、全面刷新を図った新型を発表し、日本にも導入されました。
当然、パジェロスポーツの新型化にも注目が集まりましたが、2024年3月、タイではマイナーチェンジモデルを発表し、アップデートを加えながら販売が継続されています。
そして筆者(自動車ジャーナリスト 大音安弘)はこのパジェロスポーツの次期型が登場するXデーこそが、報道になった2026年12月なのではと睨んでいます。
新型トライトンではピックアップトラックながら、得意の悪路走破性の向上だけでなく、最新SUVと競合できるほどの高い快適性も兼ね備えています。
10年選手となったパジェロスポーツも、新型トライトンのコンポーネンツと知見を活かし、素晴らしいSUVを開発中と予測しています。
現行型でも後輪はリジットアクスルとなりますが、トライトンが積載性を考量したリーフ式に対して、パジェロスポーツはコイルバネの3リンク式に変更することで、後席の快適性を高めています。
サスペンションは専用仕様の一例ですが、後席以後のリアセクションには、3列シートレイアウトのほか、遮音や乗り心地などの快適性を考量した改良などを加えて、新型パジェロスポーツが誕生するでしょう。
その上級仕様を新型パジェロとして導入する可能性が高いと予想します。最新トライトンも、日本にはダブルキャブの上級モデルのみが導入されています。
もちろん、「パジェロ」を名乗るならでは専用仕様が施される可能性も高いでしょう。専用の内外装の加飾やサスペンションなどの快適性を高めるチューニングが加えられるかもしれません。
しかし、弟分のパジェロスポーツからパジェロが誕生するというシナリオには、ちょっと抵抗を感じる人もいるかもしれません。
ただ可能性が高い理由としては、製造拠点を日本向けも担うトライトンの故郷でもあるタイとしていることがあります。
新たにビルトインラダーフレームを開発することはコストバランスが悪いことに加え、いっそアウトランダーと同じアライアンスのプラットフォーム「CMF-C/D」を採用するかというと、その路線も考えにくいでしょう。
そして何よりもラダーフレーム車である新型トライトンの完成度の高さなどが挙げられます。
パジェロを名乗る以上、アウトランダー越えの悪路性能を与えたいという想いはあるでしょうから、ここはフレーム車となることに期待するのです。
そもそも初代パジェロの基本構造は、ピックアップトラック「フォルテ」、つまり、トライトンのご先祖のものが使われていました。つまり、真の原点回帰ともいえるわけです。
ちなみに今回の件について、筆者は三菱自動車工業に取材したところ、メーカーサイドが直接話せる「パジェロ復活」に関する情報はないとのこと。
これが新型パジェロスポーツ登場から出た噂なのか、新フラッグシップSUVの誕生となるのか、温かい目で見守りたいところです。
Writer: 大音安弘(自動車ライター)
1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。







































