落札価格は新車時の約5倍! 30年前のホンダ「NSX-R」が米国オークションに登場! 高性能V6ユニットに後期「6速MT」搭載!? めちゃカッコいい「国産ピュアスポーツカー」の価値とは
米国ブロードアローオークションズは、2025年8月13日に米国カリフォルニア州で開催された「モントレージェットセンター2025オークション」で、1995年式ホンダ「NSX-R」を出品し、落札されました。
世界に483台のみ! 初代NSX-Rの特別な仕様とは
2025年8月13日、米国カリフォルニア州で開催された「モントレー・カー・ウィーク2025」の期間中、ブロードアローオークションズが主催する「モントレージェットセンター2025オークション」において、1995年式ホンダ「NSX-R」が出品され、落札されました。
どんなクルマなのでしょうか。

NSX-Rは1992年に誕生したホンダ初の「タイプR」モデルで、徹底した軽量化と専用チューニングによって“走りの純度”を極限まで高めた伝説の国産スポーツカーです。快適装備を徹底的に省き、約120kgの軽量化を実現。エアコンやオーディオ、エアバッグ、遮音材などを取り外す一方で、レカロ製カーボンケブラーシート、鍛造エンケイ製アルミホイール、MOMO製ステアリング、チタン製シフトノブといった軽量パーツを投入しました。
足まわりには専用スサスペンション、大径スタビライザー、専用アライメント設定が採用され、市販車離れした鋭いハンドリングを実現。搭載されるC30A型3リッターV6自然吸気エンジンは、一基ごとにバランス取りされた特別仕様で、公称280馬力ながら実際は290馬力超を発揮していたとも言われます。クロスレシオ気味の5速MTと組み合わせることで、高回転域の鋭さとレスポンスに優れた加速感を実現しました。
今回出品された個体(シャシナンバーNA1-1300262)は、生産台数483台のうちの一台。外装は希少なベルリナブラックに仕上げられ、内装には赤のアルカンターラをあしらったレカロバケットシートを装備しています。
さらに、オプションのエアコンとBOSE製オーディオも備え、純粋な軽量モデルに実用性を加えた“通好み”の仕様となっているのが特徴です。日本国内で2024年までワンオーナーにより所有され、走行距離も3万9000km未満という極上の保存状態を維持していました。
履歴も非常に明確で、純正メンテナンスブックや点検記録、サービスシート、保険証書が残されているほか、渡米後の整備明細も揃っています。2025年6月には米国アリゾナ州のNSX専門ショップ「ScienceofSpeed」にて約8000ドル(当時のレートで約120万円)の大規模メンテナンスが行われ、燃料ポンプやタイミングベルト、ウォーターポンプ、各種ホース類などが交換されました。
さらに注目すべきは、後期型のNA2型NSX-R由来の6速MTが組み込まれている点です。オリジナルの5速MTの味わいを残しながらも、クロスレシオ化によるシフトフィールの精度向上や加速時のレスポンス改善によって、より現代的でスポーティな走りを実現しています。
あわせてNA2型仕様の17インチ7スポークホイールも装着され、スタイル面でも特別感を演出しています。
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オークションでの落札予想価格は37万5000ドルから42万5000ドル(日本円で約5522万円から6258万円)でしたが、実際の落札額は35万7000ドル(日本円で約5257万円)。
予想をやや下回ったものの、新車時車両価格(約975万円)の約5倍に達しており、奇跡的な保存状態と現代的アップデートを兼ね備えた“国産ピュアスポーツカー”として、NSXタイプRの価値を改めて証明する結果となりました。
Writer: くるまのニュース編集部
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