首都高が「絶対にやめてください!」“最終”警告! 超・悪質な「重量オーバートラック」を追放! 荷物“ドカ積み”で重さが「局所集中」し道路を破壊! 「軸重超過」注意を呼びかけ
首都高は公式SNSで「軸重超過での走行は法令違反です」と、利用者に対して注意喚起をしました。一体どういうことなのでしょうか。
「軸重超過」を甘く見るな
首都高は2025年9月10日、公式SNSを更新。「軸重超過での走行は法令違反です」と、利用者に対して注意喚起をしました。
一体どういうことなのでしょうか。

そもそも「軸重」とは、車軸(左右の車輪)にかかる重さをいいます。
一般車では馴染みがありませんが、大型ダンプやトレーラーなどの貨物車で荷物を積むとき、同じ量の荷物でも、荷台の各所に分散させて積むのと、荷物を局所集中で積むのでは、車軸にかかる重さは異なってきます。
もちろん何も考えずに雑に荷物を積めでいくと容易に軸重超過となり得ますが、トレーラーなどで大量に荷物を積み、そのあと複数地点で荷卸しをしていくと、荷物が減ったことで逆に荷重バランスが崩れていき、軸重超過になることもあります。
もし車軸の真上に集中すると、荷物を落としたり、荷崩れしやすいだけでなく、当然車軸に負担をかけます、折れたり破断したり、車両故障を招くだけでなく、カーブで横Gがかかったときに、横転したりスリップするリスクが高まります。
また重い荷物が集中することでタイヤが潰れ、偏摩耗を起こします。バーストして立ち往生する可能性があるほか、溝がすぐになくなり、雨の日にブレーキが効かなくなったり、スリップしやすくなります。
さらに、軸重超過で走行すると、道路に甚大なダメージを与えます。
積載量に問題がなく、車両の総重量が制限値内で重くなかったとしても、局所的に重さが集中した場合、たった1つの軸(すなわちタイヤ1輪)に非常に大きな圧力がかかります。
その状態で通行すると、舗装や橋、高架などの構造物に対して、大きなストレスをかけます。
具体的には、軸重を制限値よりたった10tオーバーした状態で通行すると、コンクリート制の床版に対し、制限値10tで通行したクルマの「4000倍」という途方もないダメージを与えるのです。
国の試算によれば、道路の劣化の9割は、わずか0.3%の台数の重量超過車両が引き起こしているといいます。
また、タイヤ1輪あたりの重さが尋常ではないことから、少々の道路の穴やひび割れを拡大させ、これを補修するために税金が投入され、道路を規制して補修工事をせざるを得なくなります。
こうしたことから、法律では軸重に関して制限値が定められています。
道路法第47条第1項、車両制限令第3条では、道路の構造を守り、交通の危険を防ぐため、道路を通行する車両の大きさや重さの最高限度(一般的制限値)を定められていますが、そのなかでも軸重に関しては「10t」と明確に決まっています。
このほか車両総重量や車両の長さ・幅・高さ、最小回転半径も制限値が決まっていますが、これらの項目が全て守られていても、軸重1つでもオーバーしていたら違反です。
いっぽう、工事現場などに大型資材を搬入したり、船舶や鉄道車両、大型重機など、分解できないものを運ぶときは、どうしても重さや大きさ、軸重が超えてしまう場合もあります。
そういった場合、走行機会ごとに運行経路や車両の詳細を記した書類を集め、「安全に配慮し、あらかじめルートと時間を決めますから臨時で通らせてください」という許可を、道路管理者にもらう必要があります。これを「特殊車両通行許可申請(特車申請)」といいます。
近年は、特車申請はオンラインでもできるようになりましたが、今でも軸重超過をはじめ、重量オーバー車の無許可走行はなくなっておらず、道路各社は頭を悩ませています。
首都高は今回、公式SNSで、「法令違反です!!」と強調のエクスクラメーション・マークを2つも使って以下のように投稿。
「軸重超過で走行すると道路が傷み、補修工事が増加する原因となります。補修工事が増加すると、渋滞が発生し、他のお客さまにご迷惑をおかけすることにも繋がります。
横転などの重大事故になる可能性もあり、大変危険ですので軸重超過は絶対におやめください!」
大型車を運行する事業者に対し、法令遵守を呼びかけています。
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なお、首都高では車両制限令違反者車両を「極めて危険な車両」と指摘し、取り締まりを強化しています。
違反が判明した場合、「次の出口で降りなさい」という退出命令のほか、あまりにも違反のレベルがひどい場合、高速から出ていかせるだけでなく、荷物の積み込み地などに戻り、制限値内になるまで「荷物を減らしなさい」という命令を発出しています。
また、法定値の2倍超えの違反など特に悪質な場合は警察への告発を実施し、何度も繰り返す悪質な物に対しては、割引の停止や事業者の責任者を呼び出して、対面で指導して再発防止の文書を書かせるなど、違反車両の撲滅を目指しているとのことです。
公式サイトでは一般利用者からの情報提供も呼びかけており、荷台の嵩上げダンプなどを見かけたら、首都高お客様センター「03−6667−5855」への連絡を求めています。
ちなみに道路法第104条では、道路管理者の許可なく制限を超える車両を通行させた場合、あるいは許可証を不携帯していた場合、100万円以下の罰金が科されます。運転者だけでなくそれを雇っている法人も、この罰則を受ける「両罰規定」です。
Writer: くるまのニュース編集部
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