横断歩道で歩行者が「お先にどうぞ!」 行ったら「100%違反」になる? よくある「譲り合戦」どうしたらいい? 「原則歩行者優先」もどう判断すべきなのか
信号のない横断歩道をクルマで通過する際、歩行者から「お先にどうぞ」と合図されることがあります。この場合、クルマがそのまま進行しても交通違反にならないのでしょうか。
歩行者・ドライバーともに「歩行者優先」は浸透しているが……
クルマは、信号のない横断歩道手前での減速や停止の義務があります。
しかし一時停止しても、歩行者から「お先にどうぞ」と通過を促される場合も少なくありません。
この場合、運転者はどのように対応すべきなのでしょうか。
![横断歩道で「譲り合戦」に!?[イメージPhoto:AdobeStock]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/09/20250910_Traffic_Trouble_Accident_AdobeStock_49977476.jpg?v=1757478948)
道路交通法第38条(横断歩道等における歩行者などの優先)では、「(略)横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない」と定められています。
横断歩道で歩行者を確認したら、ドライバーは一時停止をしたうえで、歩行者に道を譲らなければいけない決まりです。
しかしかつては、歩行者が横断歩道で待っていても、そのまま走り去るクルマは少なくありませんでした。
かつてJAF(日本自動車連盟)がおこなった2016年の調査によると、信号のない横断歩道でのクルマの一時停止率(全国平均)は、7.6%に留まっていました。
ところが2023年の調査では45.1%にあがっており、7年前から比べると一時停止するドライバーは約6倍にも増えていることがわかります。
近年メディアなどでの啓発活動が広まったほか、警察の取り締まりが強化されていることが大きく影響しているのかもしれません。
このように、「歩行者優先」が浸透してきたことは素晴らしいことではあります。
しかしドライバーにとって悩ましいのが、道を譲るために停止した際、歩行者から「どうぞ、お先にいってください」といわれるケースです。
運転者が「いやいや、どうぞどうぞ」と合図を返しても、歩行者がなかなか渡らず「お見合い」のような状態になることもしばしばあります。
歩行者側とすれば、「歩行に不安があるために急いで渡ることが難しい」「クルマに待ってもらうのが申し訳ない」「クルマが通過するのを待ってゆっくり渡りたい」など、理由は様々考えられます。
いっぽうドライバーからすれば、もし警察官に現認されてしまうと取り締まりされてしまう可能性もあるため、できれば「先にいってほしい」と考えるところです。
実際に、この歩行者との「お先にどうぞ合戦」をしたのち、クルマが先に進ませてもらったところ、警察官に取り締まりされたという事例もSNSなどで散見されます。
ちなみに「横断歩行者妨害違反」は、反則金9000円(普通車)と違反点数2点です。


















































