横断歩道で歩行者が「お先にどうぞ!」 行ったら「100%違反」になる? よくある「譲り合戦」どうしたらいい? 「原則歩行者優先」もどう判断すべきなのか

歩行者に対し「クルマの妨害」の有無を問うケースも頻発!?

 ただこの歩行者との「お先にどうぞ合戦」をしたのちにクルマを進めたところ、取り締まりとなった事例のなかには、のちに警察が違反不成立を認めて撤回に至ったというケースもあるようです。

 筆者(自動車ジャーナリスト 吉川 賢一)も一度、歩行者の立場で横断歩道を渡ろうとしていた際、クルマが停止してくれず立ち止まったところ、どこからか警察官が追いかけてきて「いま(クルマに)妨害されましたよね?」と聞かれ、驚いたことがあります。

 こうした歩行者の証言も、取り締まりの際の重要な証拠として用いられるものと思われます。

ともあれ、最優先すべきは「歩行者の安全」です![イメージPhoto:AdobeStock]
ともあれ、最優先すべきは「歩行者の安全」です![イメージPhoto:AdobeStock]

 道路交通法第38条にある「一時停止」「通行を妨げない」の両方を順守していたとしても、現場の警察官の判断によっては取り締まりされてしまう場合があり得るのは、悩ましいところです。

 警察としても、取り締まりを強化する中でこうした「お先にどうぞ合戦」ののちにクルマが先に進むケースも少なくないというのを、把握しているのかもしれません。

 とはいえ、警察官に声をかけられるような事態は、できるかぎり避けたいところ。

 渡ろうとする歩行者から「お先にどうぞ」とされても、まずは誰が見ても分かるように「一時停止」し、できるかぎり歩行者に先に渡ってもらうようにしてください。

 そして万が一違反を疑われた際には、その場で正しく状況を説明し、ドライブレコーダーの映像を確認するなどして、安易に違反を認めない(交通反則告知書にサインしない)ことが重要です。

※ ※ ※

 警察庁の統計によると、2020年から2024年までの過去5年間で、自動車と歩行者の衝突による交通死亡事故は5296件発生しているといいます。

 そのうち約7割にあたる3661件が「歩行者横断中の事故」と報告されており、依然として交差点などで多くの事故が発生している状況です。

 近年は歩行者や自転車に加え、電動キックスケーターやモペットなど多様なモビリティが通行しています。

 我々ドライバーとしては、歩行者との「お先にどうぞ合戦」だけではなく、様々なシチュエーションにおいて、あいまいな判断を避け、防衛運転に努めることが求められます。

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Writer: 吉川 賢一

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

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