大阪と奈良を結ぶ「酷道」がスゴイ! 国道なのに「石畳」&「超急こう配」でマトモに走れない!? 多くの人を引き付ける「暗峠」ってどんな道?

大阪と奈良を結ぶ国道308号は通称「暗峠(くらがりとうげ)」という名前で有名です。暗峠は国道とは思えないほどの険しい道のりとなっています。いったいどのような道路なのでしょうか。

大阪~奈良を結ぶ「酷道」がスゴイ!

 大阪府東大阪市と奈良県生駒市を結ぶ国道308号、通称「暗峠(くらがりとうげ)」は、クルマで通るにはかなり狭く急坂があるルートとして有名です。

 歴史がある街道として古くから使われている暗峠ですが、いったいどのような特徴があるのでしょうか。

暗峠のイメージ(画像:PIXTA)
暗峠のイメージ(画像:PIXTA)

 大阪府と奈良県は生駒山地で隔てられていますが、古くから交通の要所としていくつもの道路が整備されています。

 近代においては、東大阪市と奈良市を結ぶ「第二阪奈有料道路」、藤井寺市と天理市を結ぶ「西名阪自動車道」などが主要道路となっています。

 その中のひとつに暗峠が数えられますが、他ルートは大阪府と奈良県をトンネルで貫いたり、片側2車線の立派な自動車道路になっているのに対し、暗峠はそれらとは一味異なっています。

 暗峠の名前の由来は、「木が生い茂って昼でも暗かったこと」や「馬の鞍(くら)がひっくり返るほどの急坂だったこと」など、諸説あります。

 暗峠を通る暗越奈良街道は「日本の道100選」にも選定されています。

 大阪側から暗峠に入ると、入口付近は山の斜面に構える住宅街の中を割っていくように進みます。

 しばらく進むと国道308号は趣を大きく変え、急カーブや急こう配が連続する山道へと変貌します。

 最もカーブ・こう配が激しいのはクルマで10分ほど走った大阪側の中腹にあります。

 ここは小川を2回またぐように作られた急カーブと、山道を一気に駆け上るため半ば無理やり作ったとも思えるほどの急こう配がそびえ立ちます。

 最大こう配の斜度は約40度とも言われ、カーブの内側にはクルマが登れなくてスリップしたのか、多数のタイヤ痕が目立っています。

 しかし、これで終わりではありません。難所を超えてもまだ難所が続くのが暗峠です。

 山頂付近にも住宅街が広がっていて、道幅は一気に狭くなり、クルマ1台通るのがやっとなほどです。

 県境に差し掛かるとそれまでコンクリートだった路面が、石畳に変わります。

 石畳の国道は全国的にも珍しく、江戸時代に行われていた参勤交代の際に歩きやすくするために敷かれた際の名残とも言われています。

 頂上付近には「大阪府東大阪市」「奈良県生駒市」と書かれた県境を示す古びた看板が立っています。

 頂上付近には昔ながらの茶屋があり、タイムスリップしたような風情を感じることができます。

 奈良県は大阪府側ほどの急こう配・急坂ではありませんが、山道が続きます。下りきっても細い道がしばらく続き、市街地に出ると近鉄生駒線の南生駒駅に到着します。

※ ※ ※

 暗峠は、大阪と奈良を最短で結ぶ歴史ある街道であり、今も往時の趣を色濃く残しています。

 急坂と狭道が連続する険しさの一方で、峠道ならではの景観や達成感は格別です。

 観光散策からドライブ挑戦まで、古道の魅力を体感できる特別なルートと言えるでしょう。

【画像】超急坂!国道308号「暗峠」の様子を画像で見る(11枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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