「俺のクルマ、軽自動車だけど“外車”だぜ!」 ついつい自慢したくなる珍しい「海外メーカー製の軽自動車」3選!
ベーシックなクルマとして人気を誇る「軽自動車」ですが、その中には外国メーカー製のいわゆる「外車」(輸入車)も存在します。一体どのようなモデルなのでしょうか。
「俺のクルマ、軽自動車だけど“外車”だぜ!」
日本の自動車市場において、「軽自動車」は今や約40%ものシェアを占めると言われています。
この軽自動車という規格は日本独自のもので、ボディサイズや排気量に厳格な制限が存在。

具体的には、ボディサイズが「全長3.4m以下×全幅1.48m以下×全高2.0m以下」、エンジン排気量は「660cc以下」、乗車定員は「4名まで」と定められています。
しかし車両価格が比較的安く、税金や保険料が格安になるなど維持費が抑えられる点が大きなメリットとなるため、軽自動車は人気を集めているのです。
そしてこの制限をクリアすることで、海外メーカーが製造したモデルでも日本の軽自動車として登録・販売することが可能。
この記事では、そんな「軽自動車なのに外車」というユニークなモデルを3車種紹介します。
■ケータハム「セブン160/セブン170」
ライトウェイトスポーツカーを専門とするイギリスのメーカー「ケータハム」が手掛けた軽規格モデルが、「セブン160」です。
同社の代表モデルであるセブンシリーズの一環として、オープンホイールのスパルタンなボディに、スズキ製でジムニー用のK6Aエンジンをチューニングして搭載しています。
またトランスミッションやプロペラシャフトにもジムニー用のパーツを採用し、さらにスズキのエブリイ用のリアアクスルを使用することで、日本の軽自動車規格に沿った車幅に収まるよう設計。
そのため、何一つ問題なく軽自動車として登録することが可能でした。
2021年には、このセブン160の後継モデルとして「セブン170S」が登場。
こちらも同様にスズキ製のR06Aエンジンが採用され、ケータハムの哲学と日本の軽自動車規格が見事に融合したモデルとして、エンスージアストの注目を集めました。
■フィアット「126」
イタリアの自動車メーカー「フィアット」が1972年から1980年にかけて製造していた「126」も、日本の軽自動車規格に適合した珍しいモデルです。
角ばったデザインとコンパクトなボディが特徴で、全長3054mm×全幅1378mm×全高1302mmというサイズは、意図したわけではないものの、日本の軽自動車規格を完璧に満たしていました。
パワーユニットには排気量594cc、652cc、702ccと3タイプの空冷式直列2気筒OHVエンジンが用意されており、日本国内では594ccと652ccの2タイプに限り、新規登録時に軽自動車として登録することができたのです(新規登録時のみ)。
車重わずか580kgの軽量ボディは、トランスミッションに4速MTを組み合わせ、活発な走りを実現していました。
■スマート「スマートK」
ドイツの自動車メーカー「スマート」がかつて日本で販売していた「スマートK」は、日本の軽自動車規格を意識して特別に設計されたモデルです。
元々は「スマート・フォーツー」という車名でヨーロッパを中心に販売されていましたが、その全幅は1510mmと、日本の軽自動車規格(1480mm以下)をわずかに超えていました。
そこでスマートは、日本市場向けにタイヤとフェンダーを専用設計で変更し、全幅を1475mmに縮めることに成功。
見事に軽自動車登録を可能にしたのです。
全長2500mm×全幅1475mm×全高1500mmという非常にコンパクトなボディに、599ccの直列3気筒ターボエンジンを搭載。
コンパクトながらも力強い走りを実現し、ユニークなデザインも相まって大きな注目を集めました。
しかし現在は、スマートブランドのクルマは日本でも新車で購入できるものの、このスマートKの販売は終了しており、後継モデルの最低排気量は900ccに拡大されたため、軽自動車として登録できる新車は無くなっています。
※ ※ ※
このように、日本の軽自動車市場には、国産車に交じって個性的な海外メーカーのモデルも存在しているのです。
国産の軽自動車は入手や維持が容易というメリットがありますが、「他人とは一味違う」ユニークなカーライフを楽しみたいと考えるエンスージアストにとって、これらの変わり種モデルは魅力的な選択肢となるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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