なぜ「保管場所標章」無くなった? 誕生&廃止の理由は? 34年の歴史に幕も「500円浮く」の声… 車体後方のアイコンとは
1991年から導入されてきた「保管場所標章」(車庫証明シール)が、2025年4月1日をもって廃止されました。背景には警察のデータベース整備や青空駐車の減少があり、制度としての役割を終えた形です。廃止から約5ヶ月経った現在も知らないユーザーがいます。ではこの「保管場所標章」はどのような役割を持っていたのでしょうか。
保管場所標章が導入されたのは今から30年以上前、「青空駐車」の横行が背景にあった!
今年4月1日から、クルマの「保管場所標章」(通称:車庫証明シール)の交付が廃止されています。
約5ヶ月経った現在でも「知らなかった」と驚きの声も寄せられています。
一体なぜ廃止となったのでしょうか。

新車を購入したときやクルマの住所・名義変更などをおこなうときは、原則として警察にクルマの保管場所(車庫)についての届出をしなければなりません。
これは一般的に「車庫証明」と呼ばれるもので、自動車ユーザーがきちんとクルマの保管場所を確保していることを明らかにするための手続きです。
車庫証明の手続きの際にはこれまで、管轄の警察署から車庫証明書のほかに「保管場所標章」というクルマのイラストが入った丸いステッカーも交付されていました。
保管場所標章には「東京都○○区」「○○警察署長」など保管場所の地域や警察署長名が表記されており、交付した警察署が一目で分かるようになっています。
なおユーザーには、この保管場所標章をクルマの後部ガラスなどに貼り付けることが義務付けられていました。
そもそも保管場所標章が制度化されたのは1991年のことであり、当時問題視されていた青空駐車(道路を車庫代わりに利用する行為)への対策として導入されます。
具体的には、クルマの保管場所を外部から見えるようにすることで、所有者に保管場所を確保する意識を持たせるねらいがありました。
加えて、当時は警察が違法駐車を発見した際、保管場所標章に記載されている警察署に照会すれば、保管場所の情報をすみやかに調べられるというメリットもあったようです。
このように30年以上の歴史がある保管場所標章ですが、実は2025年4月1日から廃止されています。
近年は警察のデータベースが整備されてクルマのナンバーを照会するだけで所有者や保管場所などの情報が分かるようになったこと。
さらには、青空駐車自体が以前と比べて大幅に減少したことで保管場所標章の必要性がなくなり、廃止に至りました。
保管場所標章の廃止についてSNS上では「廃止されてたの知らなかった」と驚く声や、「あのシール貼るのがちょっとイヤだった」「ダサいから剥がそう」「廃止されて良かった」など、クルマの見た目の観点から廃止を喜ぶ声も寄せられています。
またこの改正により、保管場所標章を警察署で受け取る必要がなくなったため、車庫証明書の電子申請(オンライン申請)をしている人の場合は、クルマの保管場所関係の手続きをすべてオンラインで完結させることができるようになりました。
さらに今まで保管場所標章の交付には500円の手数料がかかっていましたが、こちらの手数料も不要となり、ユーザーの経済的負担も軽減されます。
当然、警察署での窓口業務の負担も少なくなることから、警察職員にとっても廃止のメリットがあるといえるでしょう。
SNS上では「保管場所標章の廃止だけでなく、手数料を支払うときも収入証紙じゃなくてキャッシュレスになっていた。時代だねぇ」といった声も上がっています。




























