SUV最高の「リッター30km以上」走れる! トヨタ「コンパクトSUV」登場5年目でもなぜ大人気? 204万円からのお手頃モデル「ヤリスクロス」の魅力と弱点とは?

販売ランキングでトップの「ヤリス」シリーズですが、その中心モデルとなっているのが、コンパクトSUVの「ヤリスクロス」です。登場から5年が経過した今でも相変わらず大人気となっているのはなぜなのでしょうか。

SUV最高の「リッター30km以上」走れる!

 トヨタのコンパクトカー「ヤリス」シリーズでは、SUVの「ヤリスクロス」がラインナップされています。

 2020年の誕生以来、5年が経過した今でも人気は衰えず、ヤリスシリーズのメイン車種へと成長しました。

 一体どのようなところが魅力なのでしょうか。

「ヤリスクロス」なぜ人気?
「ヤリスクロス」なぜ人気?

 ヤリスクロスのボディサイズは、全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mm、ホイールベース2560mm。車重はグレードによって多少違いはありますが、おおむね1200kg弱といったところです。

 パワーユニットは1.5リッターガソリンと1.5リッターハイブリッドが設定され、駆動方式は全車2WD(FF)と4WDが選択可能です。

 グレード展開は、装備内容が違う「X」「G」「Z」と、オフロード感を演出した「Zアドベンチャー」があり、さらにハイブリッド車にはサブスク「KINTO」専用の「U」やスポーツ性能を上げた「GRスポーツ」といったように、予算や用途に合わせて幅広いラインナップが用意されています。

 2024年1月にデザイン変更を伴う一部改良が行われ、より高級感がアップ。SUVではあるものの、通常モデルではアウトドア感はほとんどなく、背の高い箱型コンパクトカーといった感覚で乗れます。

 また、全高が1600mm以下とあまり高すぎないこともあって乗降性が良く、背の低い女性や高齢者でも腰をずらす感覚で乗り降りできるのもメリットだと言えそうです。

 一方で、最低地上高は170mmと、悪路走行を考えると低く感じますが、都市型クロスオーバーと捉えれば、街乗りで使い勝手が良いほうがユーザーには好まれるのかもしれません。

 ちなみに2024年の一部改良では、長距離走行などでは重宝するアームレストが運転席脇に追加され、充実した装備内容へと変更されています。

 そんなヤリスクロスには、少ないものの、弱点も存在。それが「後席の狭さ」です。確かに、後席の足元の狭さは否定できず、大柄な人が前席に座った時に後席の人はギリギリ足が入るといった着座姿勢になります。

 ただし頭上空間も含めて上部は余裕もあり、窮屈すぎるという印象もないでしょう。

 実際に運転してみると、いい意味でSUV感があまりなく、車高も高いし、ヤリスよりハコ型で頭上空間も広いのですが、乗り味は乗用車そのもの。この乗用車感覚が運転のしやすさにつながり、「はじめてのSUV」としても最適な1台になりそうです。

 ちなみに燃費(WLTCモード)は、ハイブリッド車が30.8km/Lをたたき出しており、これはSUVで最も良い数値です。ガソリン車も19.8km/Lとかなり優秀な数値を達成するなど、エコなSUVとしても評価されています。

 低燃費で装備も充実しているのに、価格(消費税込)は、ガソリン車が204万6000円から、ハイブリッド車が243万3200円からと、手が届きやすい設定も人気の秘訣でしょう。

 ハイブリッドのほうが満足感は高いかもしれませんが、ガソリンモデルの価格設定はかなり攻めている印象があります。

※ ※ ※

 ヤリスクロスは、トヨタらしい「シングルヒットの積み重ね」で得点を挙げる優等生的SUVだといえるかもしれません。

 多くのユーザーは市街地走行優先で、車両価格を含めた経済性と安全性を重視していることもあり、コンパクトカーとしてもまず真っ先に浮かぶ有力候補と言えそうです。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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