クルマの「バッテリー交換」なぜ自分でやらないほうがいい? ハイブリッド車は要注意! 費用はかかってもプロに任せるべき理由とは!

現代のクルマは、バッテリーが上がるとまったく動けなくなるほど電力に依存しています。それにも関わらず、定期的なチェックや交換を怠った結果、バッテリー上がりを起こしてしまう人も多いようです。

ハイブリッド車の「バッテリー交換」は要注意!

 現代のクルマは、バッテリーが上がってしまうと、いくら燃料が入っていてもエンジン始動すらままならなくなってしまうほど、電力に依存しています。

 その電力供給の要でもあるバッテリーは定期的なチェックやメンテナンス、交換が必要な消耗部品のひとつと言えますが、意外に放置されがち。

 そしていざ上がってしまうと、パニックになってしまうドライバーが多いのです。

「バッテリー交換」なぜプロに任せた方がいい?
「バッテリー交換」なぜプロに任せた方がいい?

 ロードサービスをおこなうJAF(日本自動車連盟)に寄せられる救援要請は、年間226万件以上(2023年度)ですが、そのなかで出動理由の不動の1位となっているのが「バッテリートラブル」で、全体の約41%を占めています。

 そして、そのほとんどが劣化や電力不足による「バッテリー上がり(過放電)」で、単独でも34.75%とトップになっています。

 バッテリー上がりのトラブルについて、T整備士に聞いてみました。

「バッテリー上がり(過放電バッテリー)の原因は、意外にもケアレスミスによって電力を消費してしまうことが多いです。

 たとえばランプ類の消し忘れや、エンジンをかけずに電装品を長時間使用する、または短距離移動の繰り返しによる発電量の不足、そして長期駐車による蓄電圧自体の低下などが考えられます」

 T整備士によると、都市部では1回の走行距離が短過ぎると車載のオルタネータ(発電機)で十分な発電量が足りず、バッテリーの電圧が低下してしまうことはよくあるとのこと。これはオルタネータがエンジン回転数に連動しているため、低い回転数(渋滞やアイドリング状態など)では十分稼働できないことが要因なのだそうです。

 では、バッテリーが弱ってくるとどんな症状が現れるのでしょうか。

「一般的なガソリンエンジン車の場合は、セルモーターの始動が悪くなる、電装品の動きが鈍くなる(ワイパーなど)、ヘッドライトやインテリアランプの光量が低く感じる場合などの症状が出ます。

 また、前回は十分走行したのに光量が足りなく感じたり、電装系の反応が鈍い場合は、バッテリー本体自体が劣化しているか、オルタネータの不具合によって十分に発電・蓄電ができていない可能性も否定できません」(T整備士)

 ハイブリッド車の場合は、EVモードでの発進がしにくかったり、アクセルを踏んでも加速しにくい、または「ハイブリッドシステム異常」の警告灯が点灯してしまうこともあります。

 この場合、システムの異常を疑う前に(駆動用メインバッテリーではなく)まずは補機バッテリーの電圧を確認したほうがいいそうです。

 もし、バッテリーの電圧が低かったり、充電(走行)してもすぐにバッテリーが上がってしまうなどの症状があれば、バッテリーの交換が必要になります。

 いっぽう、新品バッテリーを通販などで購入し、自分で交換すれば安く済むと思われがちですが、昨今のクルマのバッテリー交換は、とくにハイブリッド車の場合、DIYではなくプロに任せたほうがいいといいます。

 なぜ自分でやらないほうがいいのでしょうか。

「現在のクルマは純正オーディオやナビ、ATプログラムの学習機能など数多くが、待機電力を使用して蓄積されたデータをメモリーし続けています。そのためいきなりバッテリー交換してしまうとメモリーを消失する恐れがあるのです。

 プロは予備電力を兼ねたメモリーバックアップ機器を使用しながらバッテリーを交換します。

 バックアップをしないまま交換してしまうと車載コンピュータにエラーコードが記録され、エンジンが掛からなくなってしまうこともあり、またエラーコード消去するためにはキャリブレーションと呼ばれる初期化を行う必要が出てしまうんです」(T整備士)

 バックアップ方法ですが、現在ではOBD2(クルマの自己診断機能)コネクターに接続するタイプが主流となっていて、しかもOBD2機器はかなり高額。

 現在は車検でもこの機器が必要になりますが、一般の人が使うとしても年に数回レベルというものなので、個別に買うよりプロにお願いしたほうが安く済みます。

 しかも、ついでに残っていたエラーコードを消去してもらうなど、より高度な対策をしてもらうことも可能です。

※ ※ ※

 バッテリー交換には少なくても数万円かかるため、必要以上に引き伸ばしがちですが、正しく交換すれば、出先で突然エンジンがかからなくなってしまうというトラブルを予防できます。

 費用は若干かかりますが、やはりプロに任せしたほうがメリットは多そうです。

【画像】「ええぇぇ!」 これがバッテリーあがりの「対処方法」です!(15枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー