トヨタが1000馬力、価格も1億円級のモンスターマシンを市販化へ
トヨタが悲願だった「ル・マン24時間レース」でついに総合優勝!そのル・マン優勝マシンとなった「TS050 HYBRID」をベースにした「GRスーパースポーツコンセプト」を市販車へ向け、開発に着手したことを発表しました。
ル・マン優勝マシンを市販化着手発表、価格は1億円以上?
トヨタが悲願だった「ル・マン24時間レース」でついに総合優勝を飾りました。実はそのル・マン24時間レーススタートの前日、トヨタが同会場でル・マン優勝マシンとなった「TS050 HYBRID」をベースにした「GRスーパースポーツコンセプト」を市販車へ向け、開発スタートしたことが発表されました。
TOYOTA GAZOO Racingがル・マン優勝マシン「TS050 HYBRID」をベースにした市販車の開発に着手したことを発表したのは、ル・マン24時間レースの会場でした。市販開始の時期は2020年以降、価格は1億円を超えるのではないか? と言われています。日本の自動車メーカーが発売する市販車で1億円という価格はもちろん史上最高価格になります。
2010年から2012年に全世界500台限定で生産・発売されたレクサス「LFA」の新車価格は3750万円ですから、今回市販化に向け開発される「GRスーパースポーツコンセプト」がもし1億円で発売されるとなれば、LFAの2.5倍以上の価格ということになります。LFAの時のように、世界中で争奪戦が繰り広げられるのでしょうか。
最高出力1000馬力! なぜトヨタがモンスターマシンを市販化?
「GRスーパースポーツコンセプト」は、ル・マンで総合優勝を飾ったマシン「TS050 HYBRID」とほぼ同じパーツを使って作られたコンセプトカーです。実戦で鍛えられたV6ツインターボチャージャーにトヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)を搭載し、最高出力は1000PSという、とんでもないパワーを発揮します。
TOYOTA GAZOO Racingは、2017年からエンジン内部にもチューニングを施した数量限定販売の『GRMN』を頂点に『GR』ブランドのスポーツカーを展開しています。いずれも、市販車をベースに開発されたモデルですが、このたびのGRスーパースポーツコンセプトの市販モデルについては、これまでのGRブランドのように市販車両をチューニングしてスポーツカーを作るのではなく、現役のハイブリッドレーシングカー(TS050ハイブリッド)からスポーツカーをつくるという、これまでにない全く新しい試みで開発される車となります。
トヨタがこの6年間、WECに挑んできた目的は、レースに勝つ為だけではなく、世界最先端のハイブリッド技術とEVシステムの開発を推進し、究極の環境性能と突出した走行性能を、高次元で両立させることでもあります。
そして、レーシングマシン『TS050 HYBRID』の魅力を、可能な限りダイレクトに、公道で走るために扱いやすくした、スーパースポーツカーを世に出すことが、トヨタのWEC参戦を意義深いものにすると考えています」と、友山茂樹氏(GAZOO Racing Company プレジデント)はいいます。
次世代のスーパースポーツカーの熱効率は既に50%を実現しており、現在、更に高い値を目指して開発を進めているとのことです。