トヨタ「“新”シエンタ」安全性強化&“ブランド初”の便利機能も搭載! ライバルのホンダ「フリード」とは何が違う? 人気の「コンパクトミニバン」徹底比較!
フリードの3列目はシエンタより良い!?
シエンタとフリードの主要装備を比べて見ましょう。
一部改良前のシエンタは、電動パーキングブレーキの採用が見送られていたなど、装備の面ではフリードにやや後れを取る装備もありましたが、それが今回の一部改良により追いついただけでなく、追い越した装備もあります。
分かりやすいのがETC2.0+前後ドライブレコーダーの採用で、フリードの場合は、純正アクセサリー扱いになります。

先述したように、先進安全装備では、シエンタの「プロアクティブドライビングアシスト機能(PDA)」に、車線内走行時の常時操舵支援機能が追加されました。
ドライバーの操作を先読みし、ステアリングの反力を変化させることで、操舵を支援。フリードの「ホンダ・センシング」にも車線逸脱抑制機能や渋滞運転支援機能が備わりますが、シエンタのACC作動時の車線変更時の補助(自動車線変更機能ではありません)や先々行車検知なども含めて、高速道路走行時のドライバー支援では一歩先を行く印象です。
また、シエンタとフリードの装備面での大きな違いは、シエンタは最廉価の「X」をのぞき、ディスプレイオーディオが標準になることです。
一部改良モデルでは、「Z」に10.5インチ(コネクティッドナビ対応。車載ナビ付)、「G」に8インチ(10.5インチはオプション)のディスプレイオーディオが標準になります。
そのほか、シエンタはハイブリッド車が2WDと4WDを設定し、3列7人乗り、2列5人乗りを用意。ガソリン車は2WDのみで、7人乗り、5人乗りを設定するのは同じです。
さらに今回、後席部分を架装して2人乗りにする「JUNO(ジュノ)」をMODELLISTAと共同開発し、コンプリートカーとして新たに加えたのもトピックスです。
3列シート車のサードシートの操作性は、それぞれ長短ありますが、シエンタはダイブインの5対5分割可倒式で、先に2列目をタンブルさせてから格納するという手間がかかります。
基本的にサードシートは非常席として割り切り、格納したままで使うことが多いのならフラットになりますが、それならば思い切って2列シート車を選択するという手もあります。
一方のフリードは、3列シートに6人乗りと7人乗りを揃え、クロスターには2列5人乗りと「スロープ」を設定しています。こちらは、先代までの持ち込み登録からカタログモデル化(型式指定車両)になったことで、より買いやすくなりました。
フリードの3列目は、左右跳ね上げ式で操作性は良好です。跳ね上げ時にシートが荷室両サイドに残るため、シエンタのようにすっきりとした空間にはならないものの、一般的な日常使いであれば実用上、大きな問題にはならないはず。
また、サードシートの足元空間はシエンタよりも明らかに広く、3列目自体の座り心地(座面の厚みなど)でも床下格納式を採用するシエンタに対してアドバンテージがあります。3列目乗降時の乗員の姿勢(開口部の広さ)もシエンタよりも楽なのも美点です。
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一部改良を受けたシエンタとライバルのフリードは、シートアレンジや積載性などの考え方に意外なほど違いがあります。
シエンタは、ブレーキホールド付電動パーキングブレーキを全車標準化するなど、これまで泣き所であった装備を強化したことで、さらなる拡販が狙えるのは間違いありません。
Writer: 塚田 勝弘
中古車の広告代理店に数ヵ月勤務した後、自動車雑誌2誌の編集者、モノ系雑誌の編集者を経て、新車やカー用品などのフリーライター/フリーエディターに。軽自動車からミニバン、キャンピングカーまで試乗記や使い勝手などを執筆。現在は最終生産期のマツダ・デミオのMTに乗る。





















































