ホンダの「“うすうす”4WDセダン」!? 全長4.5m×全高1.25mの「カクカクボディ」がカッコイイ! シンプル×和なデザインの「KIWAMI」とは
ホンダが2003年開催の第37回東京モーターショーで出展したコンセプトモデル「KIWAMI」は強く印象に残るデザインをしていました。はたしてどのようなクルマだったのでしょうか。
「ミニマリズム×和×自然」がコンセプトの「KIWAMI」
世界各地で開催されるモーターショーでは、さまざまな自動車メーカーが次世代のクルマを体現したコンセプトモデルを出展しています。
そのコンセプトモデルの中では、非常に独創的で先進的なモデルが大反響を呼ぶことは珍しくありません。
ホンダが2003年開催の第37回東京モーターショーで出展したコンセプトモデル「KIWAMI(極)」(以下、キワミ」)は、その1台となるでしょう。

キワミは、「先進のFC(燃料電池)技術と、伝統的な日本の美意識が融合した次世代プレミアムセダン」と表現したコンセプトモデルで、クリーンな環境性能に相通じる“清らかな和の心”を融合し、“季節の移ろいとともにその姿を変える景色の美しさ”や“清らかな水の流れに美を見いだす感性”、“風の薫りに四季を感じる繊細さ”を開発のコンセプトに取り入れたとホンダは伝えていました。
ボディサイズは、全長4500mm×全幅1820mm×全高1250mm、ホイールベース2870mmと、ワイド&ローな姿で特に全高の低さが際立つプロポーションになっています。
そのスタイルは、まさにシンプルを極めたデザインと言える、ミニマリズムに徹したものでした。
インテリアは、手入れされた庭や陰影が美しい障子など、日本の伝統的な美意識を取り入れながらも、和を単なるデザインモチーフとすることなく、上質なやすらぎを提供する空間を目指し、最新の知能化技術と和の心が調和したデザインにより、乗員に極上のくつろぎとおもてなしを提供するものとして開発されていました。
パワートレインは、ホンダ独自の燃料電池(FC)システムを搭載、次世代の高出力ホンダ製スタックとDCモーター、次世代水素ストレージなどにより、高レスポンス・高エネルギー効率でコンパクトなシステムを実現。
これにより、レイアウトの自由度が増し、重量物を中央に集中させたH型レイアウトが可能となり、低重心・低全高を実現しています。
さらに、4輪協調制御の4WDシステムを採用し、安定したハンドリング性能を提供するものとしていました。
※ ※ ※
キワミを源流とする直接的な市販車は販売されていませんが、2016年に登場したホンダ初のFCV(燃料電池自動車)「クラリティ フューエル セル」は、低重心レイアウトと滑らかなフォルムが、ゼロエミッションと先進的なデザインを融合させており、キワミの影響がうかがえます。
キワミは、燃料電池技術と日本の美意識を融合させた革新的なコンセプトモデルとして、次世代のプレミアムセダンの可能性を示しました。そのシンプルで洗練されたデザイン、先進的な技術、そして和の心を取り入れたインテリアは、ホンダの未来の車両開発における重要な指針となっているかもしれません。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。




























