なぜ? 「岡谷JCT付近」で事故多発!工事区間を安全に走るための注意点とは? 長野県警・NEXCO中日本に事故背景や対策を聞いた

2025年5月12日から7月25日までリニューアル工事がおこなわれていた長野自動車道と中央自動車道の岡谷ジャンクション付近ですが、工事期間中は交通事故が相次いでいました。では、一体どのような事故が発生したのでしょうか。

リニューアル工事の岡谷ジャンクション付近、事故が相次ぐ!工事区間で注意したいポイントとは?県警・NEXCOの回答は

 長野自動車道と中央自動車道が交わる岡谷ジャンクション(JCT)付近では、リニューアル工事期間中に交通事故が多発していました。
 
 特に、発生した人身事故はすべて追突によるもの。なぜ事故が相次いだのでしょうか。
 
 そして、高速道路の工事区間を安全に走行するために、私たちはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
 
 長野県警高速隊とNEXCO中日本に、事故の実態と対策について聞きました。

リニューアル工事の岡谷ジャンクション付近、事故が相次ぐ!工事区間で注意したいポイントとは?県警・NEXCOの回答は(クレジット: fukiko/PIXTA)
リニューアル工事の岡谷ジャンクション付近、事故が相次ぐ!工事区間で注意したいポイントとは?県警・NEXCOの回答は(クレジット: fukiko/PIXTA)

 中央自動車道・長野線(通称:長野道)の岡谷ジャンクション付近では、高速道路の老朽化にともなって2024年からリニューアル工事がおこなわれています。

 2025年は春期分として5月12日から7月25日まで工事が実施され、その間は上下線ともに片側1車線の規制となっていました。

 なお工事期間中は岡谷ジャンクション付近が渋滞し、その影響により交通事故が相次ぐ状況がみられました。

 長野県警高速隊によると、5月12日~7月11日までに発生した交通事故は速報値で44件であり、その内訳は人身事故が7件(前年同期比+4件)、物損事故が37件(前年同期比+16件)と、昨年に比べて交通事故が増加しています。

 さらに事故形態を見ると、人身事故はすべて「追突」、物損事故では「追突」が19件、「その他」が18件でした。

E19長野道 岡谷JCT付近では工事による渋滞が発生する(画像引用:NEXCO中日本)

 上記事故の発生原因に関して県警高速隊の担当者は、運転手の不注意によるものであるとした上で、次のように話しています。

「追突事故については、前をよく見ていない前方不注視が原因です。

 また『その他』の事故として進路変更時の衝突などが挙げられますが、これは速度を落としていないことや周囲の安全確認が不十分だったことが原因とみられます」

 高速道路ではスピードが出やすいことに加え、渋滞時は前方の車両が詰まっていることで追突事故が発生しやすい傾向にあるため、その点に留意した運転が必要といえるでしょう。

 また事故を防止するため、県警や長野道を管轄するNEXCO中日本ではさまざまな対策を講じています。

 県警では工事区間における最高速度50キロ規制や追い越し禁止規制のほか、渋滞最後尾付近での追突事故防止対策として携帯電話使用の違反や車間距離不保持違反などの取り締まり・警戒活動を強化したということです。

前方の渋滞は、渋滞末尾お知らせシステムの光点滅、情報板でお知らせ(画像引用:NEXCO中日本)

 NEXCO中日本においてもハード面での対策として、光の点滅で渋滞を知らせる「渋滞末尾お知らせシステム」の設置や、2車線から1車線へと変わる区間に高輝度ライトの設置、走行中の車両に向かってスピーカーで注意喚起を呼びかけるなど、あらゆる対策をおこなっています。

 加えてソフト面での対策として、走行時の注意点についてYouTube動画で発信するほか、SAなどにおいて県警と共同で事故防止の啓発活動を実施するなどしています。

 岡谷ジャンクション付近でのリニューアル工事は休止期間を除いて2029年まで毎年おこなわれる予定であり、2025年8月18日~11月28日にも秋期分の工事が計画されています。

 岡谷ジャンクション付近を通行する際の注意点について、県警高速隊の担当者は次の4点を挙げています。

ーーー
1 渋滞最後尾に注意
  カーブの先といった見通しの悪い場所を走行する際は「渋滞しているかも」という意識を持ち、スピードを落とす、前方車両との距離を空けるなどの対応をとること。

2 追突事故への注意
追突事故は前方不注視が主な原因であるため、カーナビやスマートフォンを注視したり脇見したりすることなく、前方車両の状況をよく見て運転すること。加えて、車間距離を空けること。

3 進路変更時の運転に注意
進路変更時はドアミラーでの確認だけでなく、必ず目視で安全確認をすること。また無理な進路変更をしないこと。

4 道路の表示板に注意
岡谷ジャンクション付近では道路管理者(NEXCO中日本)が「1キロ先渋滞最後尾」といった表示板を設置しているため、この表示に留意して運転すること。
ーーー

 特に上記1~3は岡谷ジャンクション付近に限らず、他の工事区間においても必要な心がけであるため、意識して運転すると良いでしょう。

光点滅時は、渋滞末尾に近づいていますので前方をよく見て安全運転を(画像引用:NEXCO中日本)

 またNEXCO中日本の広報担当者も、利用者が気をつけるべき点に関して次のように話しています。

「工事により渋滞が発生していることについて、ご迷惑をおかけしております。

 渋滞中や最後尾では事故が多く発生いたします。

 前方を注視して運転していただき、道路上に設置してある情報板にて道路交通情報をご確認いただくとともに、渋滞を確認した際にはハザードランプをつけて後方の方へのお知らせや、渋滞末尾にぴったりつかないなどの安全運転、事故防止対策をお願いいたします。

 また、『ながらスマホ』による事故が多発しておりますので、絶対にお止めいただきますようお願い申し上げます」

長野道と中央道の分岐点での急な割り込みは危険(画像引用:NEXCO中日本)
車線が減少する地点では合流直前まで走行し、一台ずつ交互に合流を(画像引用:NEXCO中日本)

※ ※ ※

 今後の詳細な工事スケジュールに関して、NEXCO中日本の広報担当者は「翌年以降の詳細な工事スケジュールについては、工事内容、工事箇所などが決まり次第適宜発表させていただいておりますので、決定後改めて発表させていただきます」としています。

 現在のところ、岡谷ジャンクション付近では2029年まで工事が続く見込みであり、工事区間を通行する際には、より一層の安全運転が重要といえるでしょう。

【画像】これで渋滞回避! 「高速にある謎の三角」の意味は? 画像で見る!(30枚以上)

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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