「セルフ式ガソリンスタンド」で大惨事! 高齢女性の“給油ミス”で「ガソリン50L」流出! 意外とよく見る“NG行為”も…知っておくべき「給油時の注意点」を元警察官が解説!
セルフ式ガソリンスタンドで高齢女性が給油ノズルを差し込んだままクルマを発進し、ガソリンが大量に流出する事案がありました。セルフ給油する時には、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。
セルフ式ガソリンスタンドでの危険行為について目撃情報が続々!
以前、北海道稚内市のセルフ式ガソリンスタンドにおいて高齢女性が給油ノズルを差し込んだままクルマを発進させ、ガソリンが大量に流出する事案が発生しました。
給油にまつわるトラブルは意外と少なくありませんが、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。

2025年4月、北海道稚内市内のセルフ式ガソリンスタンドにおいて高齢女性がクルマに給油ノズルを差し込んだまま発進し、破損した給油ノズルのホースからガソリン約50リットルが流出する事案が発生しました。
これは女性が給油終了後に、給油ノズルを抜き忘れて誤って発進してしまったもので、発進に気づいたガソリンスタンドの従業員が消防に通報しました。
その後、現場に駆けつけた消防隊員が流出したガソリンの除去をおこなったということです。
この事案に対しては「恐ろしすぎる」「少しでも火花散ったら引火するやん」「下手すると付近のクルマもろとも燃える大惨事が起きる」といった驚きの声が多く寄せられました。
加えて「昔レバーを引いたままノズルを抜いて、そこらにガソリンをぶちまけた高齢者を見たことある」「高齢者が給油キャップのカバーを開けたまま走り去っていくのを見た」など、高齢運転者による危険な給油状況を目撃したという声も上がっています。
なお東京消防庁が公表したデータによると、2024年中、東京消防庁管内だけでもガソリンスタンドで105件の事故が発生し、そのうちガソリンスタンドに進入した車両が給油機器に衝突して破損させるといった運転ミスによる事故は72件ありました。
また上記事案のように、給油中に発進する事故は7件あり、他の地域を含めると同様の事案はもっと多く発生しているものとみられます。
このように給油時のトラブルは少なくありませんが、セルフで給油する際にはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
東京消防庁のウェブサイトにおいては、「セルフスタンドで安全に給油するためのポイント」として、以下の事項に留意するよう呼びかけています。
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1.スタンド内は安全運転 急発進、急ハンドルは危険
2.案内標示に従いながら駐車 エンジンOFF
3.静電気除去シートにタッチ
4.正しい操作で給油
5.注ぎ足し給油をしない
6.給油キャップの置き忘れ注意
7.自分で容器にガソリンを入れない
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まず1について、ガソリンスタンドでは限られたスペース内に多くの車両が出入りするほか、給油中の人や歩行者などがいるため、スピードを落として慎重に運転することが大切です。
2の「エンジンOFF」に関しては、仮にエンジンをかけたまま給油をおこなった場合、可燃性蒸気が静電気に引火して火災につながる可能性が高まることから、エンジンの停止を呼びかけるものです。
実はガソリンは引火点がマイナス40℃以下で、真冬であっても大量の可燃性蒸気が発生し、静電気のようなわずかな火花でも引火するという特性があります。
消防法においても「危険物」に指定されており、その扱いに注意が必要です。
さらに3の静電気除去シートについても、静電気が可燃性蒸気に引火しないよう給油前に触れておくことが重要です。
また4の「正しい操作で給油」とは、給油ノズルを給油口の奥までしっかりと差し込み、レバーを握って給油することをいいます。
給油ノズルには満タンを検知して自動で給油を止める機能がありますが、給油ノズルの差し込みが浅いと満タンを検知できず、ガソリンが吹きこぼれてしまうおそれがあります。
5の「注ぎ足し給油」は、ガソリンが満タンにもかかわらず、さらにガソリンを追加しようとする行為であり、こちらもガソリンが吹きこぼれる危険が想定されます。
自動で給油がストップしたら、それ以上は給油しないように気をつけましょう。
そして6について、給油キャップを置き忘れたり閉め忘れたりすると可燃性蒸気が漏れ出すおそれがあります。
自動車用品店やインターネットショップなどでは給油キャップの置き忘れ・閉め忘れ防止アイテムが多数販売されていることから、それらを活用すると良いかもしれません。
最後の7に関しては、顧客が自らガソリン携行缶にガソリンを入れる行為は禁止されており、従業員が給油作業をおこなう必要があります。
また携行缶でガソリンを購入する際には、本人確認やガソリンの使用目的の確認などがおこなわれるため、その点は知っておきましょう。
※ ※ ※
SNS上では「エンジンかけながら給油してる人いた」、「給油しながらタバコ吸っている人いてビックリした」などの目撃情報も寄せられています。
ガソリンは引火点が非常に低く、ちょっとした火花で引火して火災につながるおそれがあるため、火気厳禁はもちろん、正しい方法での給油を心がけましょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。



























