ダイハツ新型「ムーヴ」“スライドドア車”に大刷新! ミニバン・軽で人気の「横開きドア」もメリットばかりじゃない!? 見落としがちな「デメリット」に要注意!
今や、ミニバンや軽自動車は「スライドドア」ばかりとも言える状況です。スライドドアのメリット、デメリットとはどのようなことなのでしょうか。
ミニバン・軽は「横開きドア」に人気集中!
近年、ミニバンや軽自動車では「スライドドア」を採用したモデルが人気となっています。
2025年6月に発売されたダイハツ「ムーヴ」(7代目)は歴代初のスライドドア車となったほか、軽で売れ筋の「軽スーパーハイトワゴン」もスライドドアを備えており、ホンダ「N-BOX」をはじめとする各車は販売ランキングの上位に名を連ねています。

また、走りの良さで人気だったホンダ「オデッセイ」も5代目ではスライドドアに変更するなど、スライドドアが普及しています。
便利なスライドドアですが、メリット・デメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
国産車として初めてスライドドアが採用されたのは1964年。商用車であるダットサン「キャブライト」からと言われています。
その利便性の高さが評判となり、1966年のマツダ「ボンゴ」(初代)や1967年のトヨタ「ハイエース」(初代)にも採用されました。
スライドドア最大のメリットである「ドアの開口部の広さ」が、荷物の積み下ろしの多い商用車に最適だったというわけです。
乗用車でのスライドドア採用に踏み切ったのは日産で、1982年に誕生した「プレーリー」(初代)に両側スライドドア(しかもセンターピラーレス)を採用。
その後、1990年代後半で「第一次ミニバンブーム」が巻き起こり、各社からスライドドアを採用したミニバンが続々誕生しただけでなく、トヨタ「ラウム」など乗用車にも採用されることもありました。
また、スライドドアを最大のセールスポイントとしたトヨタ「ポルテ」は、今でも中古車市場で人気となっています。
では、スライドドアのミニバンに乗っているオーナーはどう考えているのでしょうか。
トヨタ「ノア」のオーナーであるNさん(50代男性)は「スライドドアなしのミニバンは考えられない」と言います。
「家族で一緒に移動することを念頭にミニバンを選んだのですが、趣味で農業をはじめたので農耕具なども載せることもあり、やはりドアの開口部が広いのは助かります。
また狭い駐車場でも横のスペースを気にせずに停められるのもいいですね」
後部座席へのアクセスがいいのはもちろん、1台のスペースが狭い駐車場の場合、ヒンジドアやテールゲートが開けづらいという場面では、スライドドアから大きな荷物を積み込めることはメリットとなります。
ただ、ミニバンの車種によってはフロアが高く、よじ登るような動作が必要な場合もあります。これが小さな子どもや高齢者には負担になるかもしれませんが、電動格納式ステップをオプション設定する車種もあり、一概にデメリットにはなってはいないようです。
最近ではリモコンと連動した電動開閉式やハンズフリー機能などを盛り込んだスライドドアもあり、その利便性は高いと言えます。
しかしこの電動がデメリットになることも。たとえばバッテリーが上がってしまうと、電動スライドはもちろん機能しません。
また、使用頻度によっては内蔵されるモーターに不具合が出ることもあり、そうなると重いドアを自力で動かさなければならないという事態も。
あれだけ便利だったスライドドアが一転、重くて不便な装備になってしまうのですが、残念ながら、連動スライドドアの故障は意外と多いとH整備士は言います。
「電動スライドドアは、経年劣化や使用頻度によってドアのモーターに不具合が出ることも多々あります。そうなると手動式より重くなったスライドドアを動かさなければいけません。
また部品点数も多いので、故障すると修理が高くつくこともあります。
特に接触事故などで凹んでしまうと直しにくく、交換になることも多いので注意が必要です」
故障を未然に防ぐためにも、バッテリーの状態とモーターからの異音や振動はないかなどを時々チェックし、異変に気が付いたらプロに見てもらうのが良さそうです。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

















