新車221万円から!「トヨタSUV」快進撃!? 「空中から落下!?」PRも!? コスパ良い「日産セダン」も好調! 巻き返しの中国市場
このところ、現地メーカーの快進撃は続いていた中国市場ですが、日本メーカーも巻き返しを図りつつあるようです。とくにトヨタと日産はEV(電気自動車)の販売が好調だといいます。その要因を解説してきます。
中国で巻き返しつつある日系各社のBEV現状
中国市場ではここ1-2年シェアを奪われ気味だった日系メーカーですが、2025年に入ってから巻き返しのターンが到来しています。
2025年3月に発売された広汽トヨタ(広州汽車との合弁会社)の「bZ3X」は徹底した「現地開発」をアピールしており、パッケージングや装備内容も中国の消費者が好む内容となっています。
また、中国国内で相次いでいるEVの発火事件を受けて消費者にEV不信が広がる中、広汽トヨタはbZ3Xに大型トラックを突っ込ませたり、空中から落下させたりなどをする「過激」な実験映像を公開、このような状況下でも発火しない安全性を前面に打ち出しています。

トヨタ初となる中国専用設計はBYDと共同で開発、一汽トヨタ(第一汽車との合弁)が製造と販売を担当する「bZ3」でした。
毎月の販売台数は4000台前後で、クルマ自体のクオリティも悪くはないものの、中国の消費者の好みを的確には捉えていませんでした。この反省を活かして誕生したのがbZ3Xです。
bZ3Xの内装でまず目につくのは物理ボタンの少なさです。
中国の消費者は「先進性」を重視する傾向にあり、中国メーカー車種はなんでもかんでもタッチ操作に集約がちです。
bZ3Xの中国のトレンドにしたがい、インストルメントパネルは8.8インチの横長ディスプレイに、そして中央には14.6インチディスプレイを配置と、ディスプレイだらけのダッシュボードとなっています。
ダッシュボードに直角で交差するセンター部分には携帯端末用の無線充電パッドやコンソールボックスを備えていますが、これも典型的な中国車の要素となります。
また、運転支援機能に関しては「レベル2+」の高度な運転支援機能を中級グレード以上で搭載しています。
ソフトウェアは中国の自動運転ベンチャー「momenta」と共同開発しており、ドライバー監視の下、ナビ上で設定した目的地までの運転操作をクルマが行なう「NOA(Navigation on Autopilot)」機能にも対応します。
計算能力254 TOPSを有するNVIDIA Orin-XチップセットやLiDARユニット(126ライン)といったハードウェアも併せて搭載することで、中国メーカー車種に対抗する狙いがあります。
こういった先進的な要素を持ちつつも、エクステリアはファミリー向けに保守的に仕上げ、なおかつトヨタ特有の安全性にもしっかりと気を配ることで、日系合弁BEVとしてはかつてないほどの人気を集めています。
グレードは「430 Air」「520 Pro」「610 Max」の3種類で構成され、それぞれ駆動用バッテリーは容量50.03 kWh、58.37 kWh、67.92 kWh、航続距離は中国独自のCLTCモードで430 km、520 km、610 kmです。
価格は10.98-15.98万元(約221万円から約321万円)と非常に安く、大きな話題を呼びました。

bZ3Xは2025年3月6日に中国で発売されましたが、予約開始1時間で1万件を受注、アクセスが集中しすぎて予約サイトが一時接続不可能になるほどでした。
3月16日にデリバリーを開始して約3か月弱が経過しましたが、トヨタによればこれまでに1万5000台以上を納車したと言います。
現在は2万台ほどが納車待ちという状況で、異例の大ヒットを記録しています。

































































