2400万円超え! 635馬力の「SUV“スポーツカー”」が凄い! 「2.5トン」の巨大ボディなのにSUVらしくない!? 専用ブルーが美しい「レンジローバースポーツ SV」を体感
英国の高級SUVブランド「レンジローバー」。その最高峰にラインナップする「レンジローバースポーツSV」の限定車「EDITION TWO」に、若手ジャーナリストの西川 昇吾氏が試乗しました。
「スポーツカーテイスト」を全面に押し出した「SV」
「レンジローバースポーツ」のラインナップのなかでも、最もスポーティでハイパフォーマンスである「SV」。2023年から導入されており、その時は初回限定モデルとして「EDITION ONE」が存在しました。
今回は、2025年モデルに投入された第2弾の限定モデルである「EDITION TWO」に試乗。ワインディングを中心に、ハイパフォーマンスなSUVを体感してきました。

レンジローバースポーツSVは、以前ラインナップされていた「レンジローバースポーツSVR」の後継となるモデルです。
その最大の違いはエンジンです。SVRが575PSを発生する5リッターのV型8気筒スーパーチャージャーエンジンを搭載していたのに対し、SVは4.4リッターのV型8気筒ツインターボエンジンとマイルドハイブリッドの組み合わせになっています。
以前よりも排気量は小さくなっていますが、最高出力は635PS、最大トルクは750Nmへとパワーアップしています。
そして、そのハイパワーを受け止める足回りも強化されていて、可能な限り水平姿勢を維持する油圧式「6Dダイナミクス」エアサスペンションが採用されたほか、8ピストンのカーボンブレーキや23インチのカーボンホイールがオプションで用意されています。
EDITION TWO独自のポイントとしては、限定エクステリアカラーの新色「ブルーネブラ」が採用されているのがハイライトといえます。そのほか、各種オプション装備が標準となっているほか、「EDITION TWO」のロゴが各所に散りばめられています。
試乗当日は、同じ4.4リッターV8ツインターボマイルドハイブリッドと、6Dダイナミクスサスペンションの両方を採用した「ディフェンダーオクタ」にも試乗したのですが、フィーリングとしてはこちらの方がスポーツカーテイストの強いものとなっていました。
同じサスペンションを採用していても、レンジローバースポーツSVの方がハードな仕上がりで、ステアリング操作に対してシャープに応答してくれる印象です。全体的にカチッとしたドライビングフィールとなっているといえます。
ワインディングをパワフルかつフラットな姿勢で駆け上がっていくその走りは、全高が高いSUVであることを忘れさせるようなものでした。
高い視線が不思議に感じてしまうほど、そして2.5トンも車重があるのが嘘だと思えるほど、ワインディングが楽しいと思うドライバーズカーに仕上がっていたのです。
そしてパワートレインも高い完成度となっています。
オクタに試乗した時もそうでしたが、ターボエンジンではなく、自然吸気エンジンのように、トルクの出方が穏やかかつリニアで操りやすく、ターボの効き始めに時間がかかる「ターボラグ」という言葉とは無縁のフィーリングとなっていました。
回転が高まっていくほどパワーが出てくる…まさに大排気量の自然吸気エンジンを思わせてくれます。スポーティな走りをしているときは、マイルドハイブリッドも黒子に徹し、「ICE(内燃機関)が大好きな人も認めたくなるはず!」と感じるパワートレインとなっていました。
しかし、パワートレインの完成度が高いと感じたのはこのシーンだけはありません。スロットル開度を小さくして、普通に乗っている時はとてもコンフォート性能が高いのです。
2000rpm弱でシフトアップしていき、静粛性の高い移動を実現してくれます。リニアなトルクの出方、そしてシームレスで静かなコンフォート性能。これらを考えるとマイルドハイブリッドとエンジンとの協調制御がかなり優秀であると思わせてくれます。
世界的にもハイパフォーマンスSUVは拡大している市場ですが、今回試乗したレンジローバースポーツSV EDITION TWOを思い返すと、ここまでスポーツカーテイストなモデルはちょっと珍しいかもと感じました。
数ある速いSUVの中でも、よりスポーティなフィーリングを味わいたい人に検討してみて欲しい1台といえます。
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レンジローバースポーツSV EDITION TWOの価格(消費税込)は2474万円です。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。
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