約790万円!? スバル新「WRX WAGON」発表! 150台限定の激レアモデル!? 意外すぎる正体は? 中国独自の戦略とは
2025年6月12日にスバル「WRX WAGON」が台数限定で中国向けに発表されました。どのようなモデルなのでしょうか。
スバル、中国向けに「WRX WAGON」を150台限定で販売 786万円から ベースはなに?
スバルの中国法人は2025年6月12日に「WRX WAGON」を台数限定で発売すると発表しました。
日本にはスポーツセダンとして「WRX S4」が展開されていますが、関係はあるのでしょうか。

実はこのWRX WAGON、同社の「レヴォーグ」を並行輸入車として販売する形を取り、中国独自で名付けて販売するものです。
レヴォーグは2014年、海外市場を見据えて大型化していたレガシィツーリングワゴンに対して、より日本の道路事情に適したコンパクトなボディを持つスポーツワゴンとして登場しました。
初代モデルはFB16型1.6リッター水平対向4気筒ターボエンジン、そしてFA20型2リッター水平対向4気筒ターボエンジンの2種類を揃え、日常使いからちょっとしたスポーティなドライビングまで幅広く楽しめるワゴンとして人気を博しました。
当初は日本市場専売車として投入されましたが、その後欧州やオセアニア地域といった各海外市場でも発売されました。
2020年には2代目モデルへとバトンタッチ、新たなデザインコンセプト「BOLDER」を採用したワイドでシャープな見た目を持つエクステリアを特徴としています。
また、パワートレインは初代より全面的に刷新し、当時新開発のCB18型1.8リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載したことも話題を呼びました。
このエンジンは300 Nmという高トルクを発生するも最高出力は174 hpにとどまることが難点と指摘されていましたが、その後2021年の一部改良をもって、出力270 hp/トルク375 NmのFA24型2.4リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載する「STI Sport R」モデルが登場しました。
レガシィのワゴンモデルが日本での販売を終えた今、レヴォーグはワゴン需要に応える数少ないモデルとして密かな人気を集めています。
一方、中国市場におけるスバルは存在感が無いものの、数少ない根強いファン層によって支持されています。
中国では輸入車に対して15%の関税を課しており、それを回避すべくほとんどの外資系メーカーは中国現地に工場を設立して現地生産を行なっています。
それに対してスバルは現地工場を持っておらず、中国での販売車種はすべて輸入車となることから、日本と比べて非常に高い価格で販売されています。
これが理由で、中国ではスバル車をほとんど見ない形となります。
そんな中、スバルの中国法人はレヴォーグを150台限定で中国にて販売すると発表。その名が中国独自で「WRX WAGON」となります。
販売グレードは「tS」のみとなり、レカロ製ウルトラスエードシートやレッドステッチ入りのインパネトリム、18インチアルミホイール、ラスターブラック塗装のエンブレムといった装備が特徴的です。
日本には「tS」グレードは存在しませんが、装備内容からして日本で販売されている「STI Sport R」と同等になると言って良いでしょう。
パワートレインも日本の同グレードと同じく、FA24型2.4リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載します。
※ ※ ※
中国での販売価格は38.98万元(邦貨換算:約786.3万円)となり、日本と比べて約250万円ほど高く設定されています。
これは先述の輸入車に対する関税の影響によるもので、そのため台数も150台に限定して販売されます。
すでに受注は開始しており、中国国内のデリバリーは2025年第4四半期を予定していると言います。
スバルは現在、中国市場において「アウトバック」「フォレスター」「クロストレック」「BRZ」をラインナップしており、フォレスターに関しては2025年4月に日本で発表された6代目モデルを中国でも販売するとアナウンスしています。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。



































