新車で150万円台!? 三菱の「コンパクトミニバン」がスゴい! 広々「3列・7人乗り」×全長4.4m級の「ちょうどイイサイズ」! 俊足“ターボ”モデルもあった「ディオン」とは
三菱がかつて販売していたコンパクトミニバン「ディオン」は、新車のスタート価格150万円台からという驚きのリーズナブルさが特徴でした。どのようなモデルだったのでしょうか。
エアロパーツ装着の「ツアラー」も設定
多人数乗車が可能な3列シートミニバンは、一度使ってしまうとその便利さからなかなか他の車種に移れないという人も多いもの。
しかしネックとなるのが価格ではないでしょうか。
そんな3列シートミニバンでありながら、なんと新車のスタート価格が150万円台という驚きのリーズナブルさで登場したモデルが存在しました。

驚きのリーズナブルさを誇ったコンパクトミニバンとは、三菱が過去に販売していた「ディオン」です。
2000年1月に登場したディオンは、5ナンバーフルサイズの3列シートミニバンで、7人分の座席が備わっていました。
ボディサイズは、全長4460mm×全幅1695mm×全高1650-1655mm、ホイールベース2705mm。5ナンバーサイズ枠に収まる大きさです。
ベースとなったのは当時存在していた小型ハイトワゴンの「ミラージュディンゴ」で、そのホイールベースを延長し、3列シートを備えた仕様となっていました。
搭載されるパワートレインは最高出力135psの2リッター直噴「GDI」エンジンに4速ATとの組み合わせというシンプルなもので、価格を抑えるためにスライドドアはあえて採用せず、ヒンジドアとなっていたのも特徴。
ただ3列目シートは床下に格納することができ、フラットな荷室を実現することができるなど、使い勝手の良さは兼ね備えていたほか、リアサスペンションにはマルチリンク式がおごられていました。
消費税抜きの価格は159.8万円からと、低価格な設定も特徴でした。
2000年8月にはスポーティなエアロをまとい、オプションで16インチのOZホイール&ADVANタイヤなども用意された「ディオンツアラー」を設定し、2002年5月にはフェイスリフトを含むマイナーチェンジを実施。
このタイミングで2リッターエンジン搭載車にはCVTが新たに組み合わされたほか、同クラスの5ナンバーミニバンとしては唯一となる最高出力165psの1.8リッターターボも追加されました。
さすがにターボモデルの価格は上昇してしまったものの、それでも200万円を切る199.8万円からで、トランスミッションがCVTとなった2リッターモデルは引き続き159.8万円からと、150万円台を死守していました。
しかしこの頃になると、2000年に発覚したリコール隠し問題の影響もあって販売が低迷するように。
特に、スライドドアを備えるライバルに水をあけられるようになってしまい、2004年10月のマイナーチェンジでグレードが大きく整理され、2006年春には終売となってしまったのでした。
※ ※ ※
思い切った低価格戦略やターボモデルのラインナップなど、ライバルとは異なる切り口で果敢にライバルに対抗したディオン。
残念ながら1世代のみで姿を消してしまいましたが、タイミングがよければもっと人気を集めるモデルになるポテンシャルは持っていたといえるのではないでしょうか。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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