スズキの本格四駆「ジムニー」なぜ大人気? オフロード性能が「最高!」でも普段使いは? 買う前に知るべき“ライバル車種”との「決定的な違い」とは!
軽SUVとして人気を誇るのが、スズキ「ジムニー」です。本格的なクロカンモデルとして支持されていますが、ほかのSUVとはどう違うのでしょうか。
スズキ「ジムニー」ほかのSUVとの違いはどこに?
軽SUVとして絶大な人気を誇るスズキの軽自動車「ジムニー」は、本格的なオフロード走行ができるクロカンとして長年にわたり支持されています。
スズキには同じく軽SUVとして「ハスラー」がラインナップされますが、悪路を走れる足回りを持ちつつ実用性の高いトールワゴンスタイルとあって、キャラクターは全く違います。
両車の違いはどこにあるのでしょうか。

スズキジムニーは1970年に険しい山岳地域での使用を念頭に初代が誕生して以来、飛び抜けたオフロード性能を持つ軽クロスカントリーです。
誕生から50年以上経っても現行型でまだ4代目というモデルサイクルの長さも特徴で、シンプルかつ強固なラダーフレームを採用したボディに副変速機まで備えたパートタイム式4WD機構を搭載。
オフロード走行を念頭に開発されているため、インテリアもシンプルですが、アフターマーケットでのカスタムパーツが非常に充実しており、カスタムベースとしても高い人気を誇っています。
一方のハスラーは、現在の軽自動車人気を生み出した「ワゴンR」のプラットフォームを用いて、最低地上高を180mmまで高めたクロスオーバー型軽SUVとして2014年に誕生しました。
人気のトールワゴンスタイルにアウトドアテイストを加え、愛くるしい丸目のヘッドライトを採用。アウトドアブームの波にも乗って、あっという間に人気モデルとなりました。
2020年に2代目へと進化。街乗りでも良し、郊外へのレジャーにも最適とあって、オールマイティな軽SUVとして人気を高めています。
個々のキャラクターからも連想されるように長所は分かりやすいのですが、逆に弱点も知っておきたいところ。自動車販売店のNオーナーに話を聞いてみました。
「ジムニーに憧れて購入されるお客様は多いのですが、圧倒的な悪路走破性を実現するために設定された足回りはオンロードではストロークが長すぎ、またローギアードな設定のATなど高速巡行が苦手など、乗り心地がいいとは言い難いようです。
また3ドアは5ドアと比べ実用性に劣る部分もあり、諦めて手放すケースも多々あります。それほど趣味性の強い1台です」
「一方のハスラーは、トールワゴンボディで実用性が高く、軽くリフトアップした足回りで段差なども気にせず走れますが、重心も高めになることで横風などの影響を受けやすい面があります。
またワゴン系としてはスライドドアの非採用は残念なところと言え、また、エンジンパワーも自然吸気ということもあって非力に感じる人が多いようです」(自動車販売店 Nオーナー)
しかし、ただの性能比較で推し量れないのがクルマ選びの難しいところ。では両車は、どのようなユーザーに最適なのでしょうか。
「普段使いで不満が出にくいのは、圧倒的にハスラーです。広い車内で長尺物も積載可能、1人なら車中泊もしやすいし、見た目も可愛いところが人気です。
ただ、よく売れているぶん、個性的とは言ないところが弱点に捉えられるほか、性能的に軽自動車の域は超えていません。それが最大の魅力でもあり弱点でもあるのですが」(自動車販売店 Nオーナー)
かたやジムニーは、見た目の可愛らしさに惹かれて購入して後悔する人もいるなど、購入するには趣味性の強いクルマへの理解が必要なモデルだと言います。
「現代では珍しく、キャラを理解したうえで購入する必要があるクルマです。
日常使いでは乗り心地や走行音などが快適とはいいがたく、その反面、山岳地帯でも走破できる抜群のオフロード性能を持っています。
その性能を本当に必要としているのかを考えて、普段の運転で不便な点を“我慢”と取るか”個性”と取るかで購入の可否を判断したほうがいいでしょう」(自動車販売店 Nオーナー)
※ ※ ※
ジムニーはハマれば間違いなく楽しいクルマです。ただ、人を乗せたり買い物にも行きたいなど日常使いを優先するならハスラーのほうが幸せなカーライフを味わえると言えそうです。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。


















































