軽はやっぱり不安? 普通車と比べると軽自動車の安全性は劣るのか

実際の様々な安全試験結果で比較

 そこでひとつの目安として、独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が実施する自動車アセスメント(Japan New Car Assessment Program:JNCAP)の結果を見てみましょう。さまざまな安全試験を行った結果を公表しています。

N-BOX JNACPフルラップ試験の様子

 この評価を見ると、N-BOXのフルラップ前面衝突試験結果は運転席が9.61点で助手席が10.57点。右側が衝突するオフセット前面衝突試験は10.58点/9.23点。車両の右側から衝突された時の側面衝突試験は運転席が11.81点。後面衝突頚部保護性能試験は運転席/助手席が11.32点です。総合的な乗員保護性能は88.8点になります。

 フィットは2013年に現行型が発売された時の試験結果ですが、フルラップ前面衝突は10.59点/9.88点。オフセット前面衝突は10.67点/10.94点。側面衝突は12点。後面衝突は11.97点でした。総合的な乗員保護性能は92.59点です。

 点数を比べると、総合評価を含めて全般的にフィットが優れていますが、さほど大きな差はないことがわかります。N-BOXで最も懸念された側面衝突も、優秀なレベル5に達しています。N-BOXはフィットに近い衝突安全性能を備えていると判断して良いでしょう。

 N-BOXは緊急自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)を作動できる安全装備も、フィットなどの小型車、さらに普通車とも基本的に共通のホンダセンシングを採用しています。ミリ波レーダーと単眼カメラをセンサーとして使い、歩行者を検知して緊急自動ブレーキを作動させたり、高速域でも車両に対して緊急自動ブレーキが働きます。

 N-BOXは予防安全性能試験の結果も高く、時速50kmで停車車両に衝突しそうになった時、緊急自動ブレーキで回避できました。時速60kmの歩行者回避、時速35kmにおける遮蔽物から歩行者が出てきた時の衝突回避もこなしています。この評価は76.6点/79.0点とされ、N-BOXと同じ2017年にテストしたフィットの65.5点/79.0点を少し上まわりました。

 N-BOXの優れた安全性能について、ホンダの開発者は「ホンダでは誰も(交通)事故の被害にあわないクルマ社会をめざしています。そこで(軽自動車の)N-BOXにも、先進的なホンダセンシングを装着しました。N-BOXは販売台数の多い車種でもありますから、(交通)事故を低減させる社会的な効果も大きいと思います」と述べています。

 またホンダカーズ(ホンダの販売店)からは「今は軽自動車の安全装備が急速に充実しています。低価格で優れた安全装備が得られることも、軽自動車を選ぶメリットでしょう。その意味で設計の新しいN-BOXが安全性能の優れたホンダセンシングを装着するのは、当然のことだと思います。お客様の評価も高いです」と言います。

衝突試験での安全性など写真で見る(14枚)

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