ホンダの「斬新すぎ軽バン」に大注目! 「N-VAN」とは違う“画期的モデル”が超スゴい! 新しい「待ち時間ゼロ発想」で“デメリット”を解決する新コンセプトEV「MEV-VAN」とは
ホンダの軽商用EVコンセプトカー「MEV-VAN Concept」は、同じ軽商用EV「N-VAN e:」とは違う特徴を持っています。どのようなクルマなのでしょうか。
画期的「交換式バッテリータイプ」 待ち時間ゼロ
物流のラストワンマイルを担う軽商用バンですが、決まったルートを特定の時間に走行するという配送業務の特性から、近年のカーボンニュートラル化の流れでバッテリーEV軽商用バンの有用性が期待されています。
いっぽうで充電完了までの待機時間など、さまざまな課題も指摘されているのが現状です。
そんななか、ホンダはEVのデメリットを最小化する画期的な軽商用バンを提案しています。

それが、「MEV-VAN Concept(エムイーブイバン コンセプト・以下MEV-VAN)」というコンセプトカーです。2023年11月から、ホンダとヤマト運輸が群馬県での実証実験を行ないながら開発を進めています。
もともとホンダとヤマト運輸は、2023年6月から8月にかけて軽商用EV「N-VAN e:」のプロトタイプモデルを用い、集配業務において、EVの活路を見出す試験を実施しています。
この試験運用では、バッテリー充電に伴う待機時間の発生や、翌日に備え、業務終了後にバッテリーを一斉充電することによる、電力使用ピークの偏りなど、さまざまな課題が浮き彫りになったのです。
そして、「バッテリーを交換して運用」するタイプのEVの有用性が示唆されました。
この結果を経て開発されたのがMEV-VANでした。
MEV-VANは、通常のバッテリーEVのように容易に脱着できない駆動用バッテリーではなく、交換式リチウムイオンバッテリー「モバイルパワーパックe:」を採用していることが特徴です。
モバイルパワーパックe:は、2018年にホンダの電動二輪車に初採用されて以来、三輪電動スクーターなどにも搭載されたほか、モビリティだけでなくさまざまな機器に搭載できるバッテリーです。
重さは1個あたり10kg程度で、縦298mm×横177.3mm×幅156.3mmと、交換も容易な小型かつ軽量でありながらも、1314Whの大容量を実現しています。
さまざま用途での活用を見据えて開発され、防水や耐衝撃といった高耐久性能も追求。さらには本体に制御ユニットを搭載することで、バッテリーに発生した事象をログに残す機能も有しています。
MEV-VANでは、適宜充電されたモバイルパワーパックe:を載せ替えて使用することで、充電が終わるまで走行できないことや、業務に使用しない夜間時の一斉充電で電力を大量消費することなど、EVのデメリットとして露呈した問題点を最小限に抑え、効率的なエネルギーマネジメントの実現に貢献するといいます。
また、車体はN-VAN e:や、そのベースとなった軽商用バン「N-VAN」と同様、左センターピラーレス構造や、低床フラットな車内、助手席を床面高さで格納できる機構などを備えており、N-VANシリーズらしい積載性と利便性を備えています。
2023年10月に開催の第1回「ジャパンモビリティショー2023」では、ホンダのブース内で展示が行われ、注目の存在となっていました。
しかし、現在のところMEV-VANの市販化については一切言及されておらず、現段階においても実証実験にとどまっています。
ただし、郵便局や宅配便など、定められたルートを決まった時間に走行するような配送業では、MEV-VANとモバイルパワーパックe:を大量導入することで、商用EV普及の壁になっている、充電待ちのロスタイムや万が一の電池切れなどのトラブル発生のリスクを上手く回避することが可能です。
あるいはモバイルパワーパックe:を使用する機器の導入も同時に図れば、バッテリーの冗長性担保や保守の容易化を図ることもできます。
MEV-VANは長距離運用に供することはやや現実的ではないかもしれませんが、その場合は通常のバッテリーEV車 N-VAN e:も用意されているので、上手く使い分ければ業務におけるカーボンニュートラル化を促進することができます。
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