660ccで「800万円」オーバー! 斬新「2人乗りスポーツカー」が凄い! スズキエンジン搭載×クラシックデザインを採用! 地を這う“軽量ボディ”の「ケータハム セブン」シリーズとは

ケータハム「スーパーセブン600」は、軽自動車でありながら輸入車となっています。一体どのようなクルマなのでしょうか。

軽量ボディ×高性能エンジンでカタログスペックより早い

 ケータハムは2025年4月、幕張メッセで開催された自動車文化を愉しむイベント「オートモビルカウンシル」にて、同社の主力モデル「セブン」の最新モデルのひとつである「スーパーセブン600」を展示しました。

 日本では軽自動車規格となる輸入車のクルマですが、どのようなモデルなのでしょうか。

ケータハム「スーパーセブン600」[オートモビルカウンシル2025展示車両]
ケータハム「スーパーセブン600」[オートモビルカウンシル2025展示車両]

 スーパーセブン600は、スズキ製660cc直列3気筒ターボエンジンを搭載し、初代モデルと同等のボディサイズを採用して軽自動車登録となる、いわゆる“軽セブン”のひとつです。

 このクルマは、やはり何といっても小型で軽量なのが強みとなっています。

 オートモビルカウンシル会場に展示されたスーパーセブンは、クラシカルテイストのデザインが特徴で、カラーコーディネートは、ボルドーレッドのボディカラーに、バーチホワイトのインテリアカラーという上品な組み合わせです。

 さらにセンタートンネルとリアパネルにはディープレッドのカーペットを採用し、シフトとサイドブレーキのブーツにはクランベリーを採用するなど、洒落っ気もあります。

 このような内外装などをオプションで自由な仕様にできるのも、セブンの魅力のひとつでしょう。

 ただし軽エンジンのセブンと聞くと性能面を心配されるかもしれませんが、車両重量はたった440kgしかありません。

 スズキの660ccターボエンジンは、最高出力85ps/6500rpm、最大トルク116Nm/4000~4500rpmを発揮します。

 ちなみに軽なのに64psを超えてしまっているのは、この64psが国産メーカーによる自主規制による出力制限のためです。これに500kgを切る極めて軽い車体を組み合わせています。

 スズキの軽セダン「アルト」の最廉価モデル「A」が680kgであることを踏まえれば、いかに軽量かおわかりいただけるはずです。その実力は、最高速度が168km/h、0-100km/h加速が6.9秒と公表されています。

 さらに地を這うように低い乗車位置と小型なボディによる体感性能は、それを大きく超えるように思えることを付け加えておきましょう。

 スーパーセブン600の価格(消費税込)は866万8000円からとなっています。

※ ※ ※

 ここで、現在のセブンのラインアップを整理しておきましょう。まず、スーパーセブンとセブンの大きく2つのタイプに分けられます。

 それぞれ軽規格に収まるコンパクトな標準ボディ「シリーズ3シャシー」と、登録車(小型車)となるワイドボディの「シリーズ5シャシー」のふたつがあります。

 2024年6月より導入を開始した最新作が、展示車と同じスーパーセブンシリーズで、これは1970年~1980年代に活躍したセブンの高性能版「スーパーセブン」を現代風にアレンジしたクラシカルなデザインが特徴。

 ボディカラーの選択の自由度が高いのは他のセブン同様ですが、さらにクラシカルな専用11色が用意されています。

 モデルラインは、シリーズ3ボディと660ccターボエンジンを組み合わせた「スーパーセブン600」と、シリーズ3ボディに加えて、シリーズ5ボディの選択も可能な2リッター自然吸気エンジンを組み合わせた「スーパーセブン2000」を用意。

 搭載エンジンはフォード製2リッター直列4気筒で、最高出力172ps/7250rpm、最大トルク174Nm/6500rpmを発揮。

 重量は軽セブンと比べてやや重い560kgとなりますが、出力では2倍近い性能を叩き出すため、最高速度は209km/h、0-100km/h加速も5秒以下をマーク。より刺激的となります。車名の数字は、それぞれおよその排気量を意味しているそうです。

 もうひとつが、現ケータハムシリーズの主力であるセブンシリーズです。

 660ccターボエンジンを搭載するシリーズ3シャシーの「170」と、2リッター自然吸気エンジンを搭載するシリーズ5シャシーの「セブン340」があります。

 いずれもエンジンスペックはスーパーセブンシリーズと共通ですが、仕様として、ロード志向の「S」とサーキット志向の「R」の2モデルから選択が可能となっています。

 2リッターエンジン車には、より高性能な「480」が設定されていましたが、こちらは既に生産を終了。最終限定車となる「480ファイナルエディション」を含め、国内ディーラー在庫のみとなっています。

 同モデルは、同じ自然吸気仕様のフォードエンジンながら、最高出力240ps/8500rpm、最大トルク206Nm/6300rpmまで向上させたものです。

 エンジンのドライサンプ化や更なる軽量化で車両重量を525kgに抑えたことで、最高速度が225km/h、0-100km/h加速が3.4秒というモンスターに仕上げられています。

 またセブンシリーズの名称ですが、その3桁の数字の意味は、車両重量1トンあたりのおよその馬力を示したものだそう。

 ケータハムのモデルは、上記のような在庫車を除き、オーダー制となっています。そのため、自分好みの1台が選べるようになっています。

 ただ最新の納期に関しては2年ほどと長いものの、国産人気車でも納期が1年以上というのが当たり前の今、思ったよりも早いという印象の方もいるかもしれません。

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Writer: 大音安弘(自動車ライター)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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