1リッターで「約50km」走る!? トヨタの「“4人乗り”コンパクトカー」がスゴい! 全長4m以下の「ちょうどいい」サイズ&斬新顔の“4ドアクーペ”「FT-Bh」スイスのとは
4代目「プリウス」のスタイリングにも大きな影響を与える
FT-Bhのインテリアは、未来感にあふれるレイアウトで構成されていました。
軽量素材を用いたテンションファブリックシートやカメラ式ルームミラー、3つのリアビューカメラによるディスプレイ表示、アンビエント重畳表示式ルームミラーなど先進技術を多数採用します。

冷暖房には「エアゾーニング」技術を用い、必要な空間だけを効率的に空調する方式が採られました。排熱再利用によるエネルギー効率の向上も追求されています。
なお同モデルはジュネーブで出展後、世界のモーターショーで展示されたほか、国内のイベントなどにも登場していたようです。
市販化については、関係者から2015年から2020年の実用化を視野に入れた発言が出ていたものの、量産には至りませんでした。
それでも、FT-Bhが示した技術や思想は、その後のトヨタ車に多くの影響を与えています。
特に外観デザインでは、のちの「キーンルック」に通じる要素が見られ、特に4代目「プリウス」のスタイリングには大きな影響を与えたことがうかがえます。
技術面では空力設計や軽量化、エネルギーマネジメントの考え方がトヨタのハイブリッドモデルの開発に応用されたと見られます。
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FT-Bhは、単なる低燃費の実験車ではなく、実用車の領域でどこまで“理想”を追求できるかに挑戦した象徴的な存在でした。
環境対応車であっても「かっこよく、楽しく、そして合理的」であることが可能であると証明した点にこそ、このクルマの意義があるといえるでしょう。
2025年秋に開催される「ジャパンモビリティショー2025」では、FT-Bhのように「未来の省エネモビリティ」を再び体現するようなコンセプトモデルの登場に、期待が高まります。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。




































