日産「新型エルグランド」にも搭載! “次世代”「e-POWER」どう進化した? めちゃ静か&燃費アップで「高級ミニバン」にも向いてる? 期待の「第3世代」ユニットを試す!【試乗】
次期「エルグランド」も1.5リッターe-POWERに… どうなのか
ちなみに、次世代e-POWERに組み合わせる新開発の排気量1.5リッターの直列3気筒ターボエンジン(キャシュカイやエクストレイルなどに搭載される第2世代e-POWER用の可変圧縮ターボエンジンとは異なる)は、燃焼設計からしてe-POWER専用となっているのが技術的に大きなトピック。
熱効率を徹底追及し、従来よりもミラーサイクルの度合いを大幅に高めています。
「通常エンジンの熱効率を高めると出力が下がりがちだが、その相反する部分を極めた」とエンジニアは胸を張ります。

熱効率を高めるために、「STARC」と呼ぶコンセプトの燃焼方法を採用したほか、高圧縮比化、ロングストローク化、さらにはEGR(排気ガス再循環)を大量に活用するとともに、徹底した低フリクション化を実施。
一般的にはレスポンス低下につながる大型ターボの採用も、エンジンをダイレクトに駆動用に活用しない(=エンジンレスポンスがドライバビリティには直接影響しないのでそこに目をつむれる)e-POWERだからこそ、採用できた改善と言えるでしょう。
そういった新設計エンジンに加え、駆動ユニットも含めたパワートレインの改善により、燃費を向上させたというわけです。
このように、燃費と快適性をより高いレベルに引き上げた次世代e-POWER。
ただし、やっぱり気になるのは「車両重量が2トン近いであろう、重量級の新型エルグランドに組み合わせてパワー不足感はないのか?」ということ。

筆者も気になるので、次世代e-POWERの開発スタッフにズバリ聞いてみましたが「(先代)セレナが(先代ノートと同様の)1.2リッターエンジンのe-POWERになったときも、みなさん心配なさいましたよね」とニコっとするだけ。ガードが堅い…。
とはいえセレナも、その後の2022年のモデルチェンジで第2世代e-POWERに進化した際、新開発の専用エンジンで排気量を1.4リッターに拡大していました。
例えば同じような狙いとして、ターボの出力特性を変更することで、ラージミニバン向けに性能向上が図れる……そうした仕掛けが考えられているのかもしれません。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。




























































































