ペダル付き電動バイクで赤信号無視、歩行者に怪我をさせた男が逮捕!事故前にも違反を繰り返していたか
先日、「モペット」と呼ばれるペダル付き電動バイクを運転中に赤信号を無視し、歩行者の女性に衝突して怪我をさせたとして、会社員の男が逮捕されました。では、モペットの運転にはどのような注意点があるのでしょうか。
ネット上では「都内は違法モペットだらけ」、「しっかり取り締まってほしい」などの声!
警視庁は5月16日、「モペット」と呼ばれるペダル付き電動バイクで信号無視をし、20代の歩行者の女性をはねて怪我を負わせたとして、45歳の会社員の男を自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで逮捕しました。
では、モペットの運転にはどのような注意点があるのでしょうか。

今年1月28日の午前8時45分頃、東京都中央区日本橋の国道において、男がモペットを運転中に赤信号を無視して交差点に入り、道路を横断中だった歩行者の女性に衝突して全治3週間の怪我をさせたものです。
男は警察の調べに対し、「事故は起こしたが、赤信号だったかどうかは覚えていない」と話し、一部容疑を否認しています。
男は会社への出勤途中であり、事故を起こす前にも一方通行道路の逆走や3回の信号無視をしたとみられ、警視庁が捜査しています。
また、モペットの入手経路などについて男は「海外の通販サイトで購入した。電動アシスト自転車だと思って乗ってみたら思った以上にスピードが出たので、違う乗りものであることはうすうす感じていた」と説明しています。
実は一般的にモペットと呼ばれているのは原動機とペダルを備えた「ペダル付き電動バイク」という乗りもので、見た目は自転車に似ていますが、原動機付自転車(原付)または自動車に分類されます。
そのため、モペットを運転する際には原付または自動車を運転できる免許が必要であり、原付や自動車の交通ルールに従わなければなりません。
たとえば運転免許がないのにモペットを運転すれば無免許運転に、ヘルメットをかぶらずに運転すると乗車用ヘルメット着用義務違反に当たります。
さらにモペットにはナンバープレートの表示や、ブレーキランプ、ウィンカー、バックミラーといった保安基準を満たした装置を備え付けることが義務付けられています。
モペットの運転者の中にはナンバープレートなどを取り付けていない人も散見されますが、こちらも法令違反に該当するため気をつけましょう。
そして、モペットを運転するに当たってはクルマやバイクなどと同様、自賠責保険に加入する必要があります。
自転車のような乗りものではあるものの、性能は自転車を大きく超えており、運転方法によっては事故を起こす危険性があると認識することが重要です。
なお、モペットは「モーターのみでの走行」と「モーターを使わず、ペダルのみの走行」が可能ですが、エンジンを切ってペダルだけで走行していても、基本的には原付または自動車として扱われます。
「エンジンを切っているから自転車と同じ」と安易に判断しないように注意しましょう。
上記のモペットによる事案に対してはインターネット上で「都内ではナンバーなしの違法モペットだらけだぞ」、「モペットで信号守っている人ほとんどいないよな」などの声が上がっており、今回の検挙はあくまで氷山の一角である状況がうかがえました。
また「これ本当に危ない。うちの近くでも歩道を30キロくらいのスピードで突っ切ってるのをみた。こういうのをしっかり取り締まってほしい」との要望が聞かれたほか、「発売してる段階でおかしい。整備不良の製品を売る業者の摘発もしたらどうか」など、モペットの販売業者に対する規制の強化を求める意見も寄せられています。
モペットに関しては運転者が十分に交通ルールを理解することはもちろんですが、販売業者もモペットの車両区分を明らかにし、ナンバープレートの取り付けや保険の加入義務など必要な事項をきちんと説明することが大切です。
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5月19日には警視庁が、時速60キロ以上の速度が出るように改造されたモペットを無免許で運転したとして、ウズベキスタン国籍の男を逮捕しています。
モペットは日本人だけでなく外国人も利用していることから、今後、運転する上での留意点をより一層周知していく必要があるといえるでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。





















