全長5m超! トヨタ最新「クラウンセダン」高級&快適な“ショーファーカー”がスゴい! SUV中心の現行シリーズで、やっぱり「王道セダン」が必要不可欠な理由とは
トヨタ「クラウン」シリーズは3つのSUVのほか、従来からのセダンも用意されています。「クラウンセダン」は一体どのようなモデルなのでしょうか。
クラウンと言えばセダンでしょ!
2025年3月にトヨタ「クラウンエステート」が発売され、16代目の現行「クラウン」の4つのタイプがすべて出揃いました。
SUVを中心とするラインナップとなった現行クラウンですが、「クラウンと言えばセダン」というイメージの人も多いかもしれません。
もちろん現行モデルにもセダンはしっかり設定されています。
クラウンの歴史のメインストリームと言えるセダンですが、16代目ではどんな立ち位置にいるのでしょうか。

2022年に登場した現行型となる16代目クラウンですが、その第1弾はセダン×SUVの「クラウンクロスオーバー」という新たなスタイルでした。
それまでのクラウンのメインストリームがセダンだっただけに、この大きなスタイルチェンジには様々な声があったものの、デザイナーが思い切りデザインしたいクルマが原点となり、このクロスオーバーがスタートとしたと言います。
そして、クロスオーバーの方向性や製品版のデザインが見えてきたところで、「セダンも考えてみないか?」と豊田章男社長(当時)から提案され、16代目クラウンのセダンがスタートしたのです。
ボディサイズは、全長5030mm×全幅1890mm×全高1470mm、ホイールベースは3000mmと、堂々としたスタイルを採用。
外観は、最新のトヨタ車に共通する「ハンマーヘッドデザイン」を採用し、フロントグリルはブラックの縦バーを強調、ヘッドライトやテールランプは横一文字に光るタイプです。
内装は、大型の杢目調パネルをあしらった、高級セダンらしい貫禄と落ち着いた空間を演出。インストルメントパネルから左右のドアに連続する配置や、コンソールが浮き出て見えるような設計にすることで、広がりを感じさせる車内空間を実現しました。
パワートレインは、2.5リッター直列4気筒エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムと、モーターのみの燃料電池自動車(FCEV)の2種類を用意します。
そんなクラウンセダンは、「理性と基盤」を持つモデルとされています。応えるニーズとしては上質さ、そして快適性です。
パーソナルユースとしてはもちろんですが、後部座席に人を乗せるショーファーカーとしての性能も特にこだわった1台と言え、そのため乗り心地は最もソフトに、そしてハンドリングは最もどっしりとして、直進安定性が高い印象となっています。
近年は、トヨタ「アルファード」やレクサス「LM」といった高級ミニバンがショーファーカーとして定着しているものの、それでもフォーマルな場ではセダンがショーファーカーとして好まれる傾向にあります。
クラウンは現行の16代目から日本市場だけでなく海外市場でも販売されるグローバルモデルとなり、今でも高級ブランドはセダンのショーファーカーを多くラインナップしていることを考えると、クラウンという高級ブランドを世界に売り込んでいくには、セダンが必要不可欠だったのかもしれません。
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先代クラウンもセダンでしたが、こちらは“スポーツセダン色”が強かった印象でした。
それが、16代目クラウンのセダンでは、内外装や乗り味でラグジュアリーな印象が強くなり、王道のど真ん中に近いサルーンになったという感じがします。
サルーンらしい上質な乗り心地と直進安定性を持つクラウンセダン。クラウンというブランドを世界へと継承するためにも、セダンの登場は必要なものだったと言えます。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。

















































