トヨタの中国法人は上海モーターショー（会期2025年4月23日〜5月2日）で、同年6月に発売を予定しているクロスオーバータイプのBEV（電気自動車）「bZ5（ビーズィーファイブ）」を展示しました。

　bZ5は、トヨタと中国・大手EVメーカーであるBYD（比亜迪）の合弁会社BYD TOYOTA EV TECHNOLOGY（BTET）、一汽トヨタ自動車、そしてトヨタ知能電動車研究開発センターが共同開発したBEVです。

　2024年4月に開催された北京モーターショーで「bZ3C」として世界初公開され、今回、正式発表を機にbZ5へと改名されました。想定する中心顧客層は、Z世代と呼ばれる若い世代です。

　ボディサイズは全長4780mm×全幅1866mm×全高1510mm、ホイールベース2880mm。SUVとクーペを融合させたダイナミックなシルエットが特徴で、トヨタ最新デザインの象徴ともいえる「ハンマーヘッド」デザインを採用し、シャープでスポーティな印象を与えています。

　インテリアも先進的な仕上がりです。インパネ中央には15.6インチのタッチディスプレイを搭載。運転者や同乗者は多彩なコネクテッドサービスによって車内外問わずシームレスに情報へアクセスでき、エンタメやコミュニティを楽しむことができます。

　また、自動運転技術開発のベンチャー企業であるMomenta（モメンタ）社と共同で開発された、より高度な運転支援システムも搭載しています。

　モーターはフロントに搭載（駆動方式はFWD）、最高出力200kW・最大トルク330Nｍを発生します。航続距離はバッテリー容量によって異なり、標準グレードが550km、上位グレードが630kmとなっています（いずれも中国のCLTCモードによる測定値）。

　発売は6月を予定。前売り価格は、標準グレードが13万元（約260万円）、上位グレードが16万元（約320万円）。期間限定で、予約時に500元（約1万円）を支払うと、購入時に5000元（約10万円）の割引が適用されるキャンペーンを実施しています。

　bZ5は、中国市場におけるトヨタの電動化戦略の中核として、若年層を中心とした新たな顧客層の獲得を目指すモデルです。デザイン性、走行性能、そしてスマートなコネクテッド体験を融合させたこの新型BEVが、競争の激しい中国EV市場でどのように評価されるか、今後の動向が注目されます。