トヨタには、かつて「C＋pod（シーポッド）」というユニークなクルマが存在しました。
　
　一体どのようなクルマだったのか、その概要と現在見られる評判を取り上げて紹介します。

　シーポッドは、トヨタが製造・販売していた2人乗りの超小型EV（電気自動車）。ボディタイプは「3ドアマイクロクーペ」となっています。

　発売されたのは2020年12月で、当初は法人と自治体への限定販売のみで展開していました。

　そして約1年後の2021年12月に、個人を含むすべてのユーザーが購入できるようになりましたが、約3年後の2024年8月に販売終了となっています。

　ボディサイズは、全長2490mm×全幅1290mm×全高1550mm、ホイールベースは1780mm。

　軽自動車よりも小さなボディで取り回しが良く、最小回転半径は3.9mを実現。片側1車線の道路でも1度の切り返しでUターンできるほど小回り性能の高いクルマでした。

　エクステリアは、外板に樹脂パネルを多用することで徹底した軽量化を成し遂げ、車両重量はわずか670kgから690kg。

　一方でヘッドランプとコンビネーションランプにはLEDを採用するなど、先進的なスタイリングも両立しています。

　インテリアは、小さなボディながら大人2人が並んで座れる空間を確保。法人向けのビジネスカーとして、1人乗り用のモデルも用意されていました。

　インストルメントパネルはシンプルなデザインとしながらも、操作性に配慮してメーターや各種スイッチを集中配置。

　助手席オープントレイや2個のカップホルダー、シートヒーター、高効率のクーラーも装備され、利便性や快適性も高い水準を実現しています。

　パワートレインには、リアモーターと51Ahリチウムイオンバッテリーを搭載。最高出力12.5馬力・最大トルク56Nmを発揮し、最高速度は60km／hで、高速道路の走行はできません。

　1回のフル充電での航続距離は150km、1回の充電にかかる時間は200Vで約5時間、100Vで約16時間です。

　また、車内のアクセサリーコンセントや、オプションのパワービークルコネクタを使用すれば、1500Wまで対応の非常用外部電源としても活用可能でした。

　安全装備としては、プリクラッシュセーフティやABSなどの機能を標準装備。

　ボディカラーは全9色から選択可能と豊富で、車両価格（消費税込）は166万5000円から173万1000円で販売されていました。

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　このように個性的なモデルであるシーポッドについて、SNSでは現在も様々な反響が見られ、

「小さいけどエアコンも付いてて良かったよ」

「乗ったことないけど、このサイズで2人乗れるのは魅力的」

「なんでトヨタは止めちゃったのかなぁ」

「通勤にはあれで充分。むしろ最高なんだよね」

「もっと普及して欲しかったし、近場を走る程度の営業車は全部あれでいい」

　といった、使い勝手を高く評価する声が上がっています。

　先述したように、シーポッドにはクーラーとシートヒーターが搭載されており、小型モビリティでありながら暑さ寒さ対策はバッチリです。

　さらに、フル充電での航続距離が150kmあるため、極端に遠い職場でなければ通勤用や営業車としても問題ないことから、わずか4年程度で販売終了となってしまったことに残念な気持ちを漏らすユーザーも見られました。

　またそのほかにも、

「運転怖いし縦列駐車できないからトヨタのシーポッド欲しかった」

「老後の足に良いね～と思うけど高い！コミコミ100万円くらいに収めた後継モデルに期待してます！」

　という声も寄せられました。

　優秀な取り回し性能に着目して購入を検討していたユーザーがいる一方で、一般的な軽自動車も買える車両価格について言及するコメントも見られ、シーポッドが短命に終わってしまった理由は、このあたりにもあるのかもしれません。

　しかし上記の投稿を見るに、販売終了してから評価され始めているようなふしもあり、見切りをつけずに販売を続けていれば、徐々に浸透していった可能性も秘めたモデルでした。