全長4.4mの新型「“ちいさい”高級車」どんなモデル? 1.2リッター「直3」搭載の新モデルは唯一無二の世界観と上質な乗り味が魅力? 625万円からの「DSナンバーフォー」とは

ステランティス ジャパンは2026年5月13日、DSオートモビルのCセグメントハッチバックモデル新型「No4(ナンバー フォー)」を発売しました。今回は、自動車ジャーナリストの西川昇吾氏が、DSブランドならではの世界観をまとった最新モデルの実力をチェックしました。

フレンチ高級ブランドらしさを凝縮したコンパクトモデル

 ステランティスグループの中でも独自のポジションにいるのがフレンチ高級ブランドのDSオートモビルです。シトロエンブランドから派生したブランドですが、他の高級ブランドとは異なる世界観を持っています。

 そんなDSオートモビルの現在のラインナップ中で、もっともコンパクトなのが新型「No4(ナンバー フォー)」です。コンパクトなボディでどのようにDSオートモビルの世界観を体現しているのでしょうか。

 No4は2026年5月13日に日本市場へ投入されたばかりのニューモデル。No4というネーミングは新しいものですが、実質的には「DS4」の後継モデルとなっています。今後のDSオートモビルのモデル名は、「No〇」とNoと数字を組み合わせた表記へと移行していく予定です。

新型No4は、ダイヤモンドをモチーフとしたデザインや特徴的なライトシグネチャーを採用。フレンチプレミアムらしい存在感を放ちます
新型No4は、ダイヤモンドをモチーフとしたデザインや特徴的なライトシグネチャーを採用。フレンチプレミアムらしい存在感を放ちます

 ボディサイズは全長4415mm×全幅1830mm×全高1495mm。フォルクスワーゲン「ゴルフ」やプジョー「308」と同じCセグメントに属するモデルです。

 パワートレインは、近年のステランティスグループの多くのモデルに採用されている1.2リッター直列3気筒ガソリンターボエンジンとマイルドハイブリッドを組み合わせ、システム出力145馬力を発揮します。

 このように聞くとオーソドックスなステランティスのCセグメントモデルと思ってしまうかもしれませんが、価格(消費税込)は625万円からとやや高めです。

 強気とも感じられる価格設定ですが、それは高級ブランドであるDSオートモビルだからこそ実現できたものとも言えるでしょう。600万円を超えるプレミアムCセグメントハッチバックは、どんな世界観を体験させてくれるのでしょうか。

 実際にNo4の実車を目の前にすると、一瞬で「他にはない個性を持っている」と直感しました。ボディの造形や灯火類のデザインなど、類を見ない姿形であると多くの人が直感できるものです。特に印象的なのがリアテールランプのデザインで、光の陰影を感じさせる造形となっており、エクステリアで個人的に最も引き込まれるポイントでした。

上質な素材と個性的なデザインを融合したインテリア。600万円超の価格にふさわしい特別感を演出しています
上質な素材と個性的なデザインを融合したインテリア。600万円超の価格にふさわしい特別感を演出しています

 No4のデザインを日本語の熟語で表現するならば、「前衛的」が最もしっくりくると感じました。ただ、「前衛的」という言葉が似合うのはエクステリアよりもインテリアかもしれません。

 インテリアはダイヤモンドを基調としたデザインを採用。エアコンなどの各種快適装備や車内エンターテインメントの操作系は、慣れないと少し使いづらい印象です。普通のクルマであればマイナス評価となりそうなポイントですが、ここまで独自の世界観を築き上げていると、「それもヨシ」と思えてしまう魅力があります。

 走り始めて驚いたのは、このセグメントで一番と思えるしっとり感です。「乗り心地が良い」という表現の先を行く感触があり、このフィーリングをこのクラスで味わえることが不思議だと感じました。

 それに合わせてパワーユニットもしっかりと味付けされています。他のブランドでも使われているパワートレインですが、スロットルに対する反応や回生ブレーキの効き方も若干マイルドで、全体としてゆったりとした雰囲気です。

 もちろん、欲しい時にアクセルを踏み込めばしっかりと反応してくれますが、1.2リッターマイルドハイブリッドの中でも、トップレベルで制御によるキャラクターが表現されたクルマだと感じました。

 そしてリアシートでも試乗を実施。絞り込まれたリアスタイルから予想はしていましたが、広々とした印象はなく、シート形状もしっくりくるものではありません。

 リアシートに乗って改めて、「このクルマはフロントシート主体のクルマだ」と思わされました。「デートカー」という言葉は死語かもしれませんが、この前衛的かつ独創的な世界観としっとりとした乗り心地をフロントシートで楽しむのがピッタリ……そんなデートカー的なキャラクターを感じさせる仕上がりでした。

「他にはない」という言葉はクルマの表現で使われがちですが、その言葉がハマる度合いはかなり高い一台だった新型No4。このサイズで他にはない個性を求める人は、ぜひ一度実車を見てほしい一台です。

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Writer: 西川昇吾

1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。

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