日産が「新型エルグランド」を初公開! 新ハイブリッドは「3.5L V6」の高性能を超える? 15年ぶりの全面刷新に高まる「期待」と少しの「不安」とは
「3.5リッターV6」の豪快な走りは継承されるのか
そしてデザインとともに注目したいのが、新型エルグランドに搭載が明言されている第3世代のe-POWERです。
発電専用の1.5リッターエンジンと、モーターやインバーターなど5つの部品をモジュール化して軽量化を実現した「5-in-1」ユニットは、静粛性向上と燃費向上を狙ったオールニューのユニットとのことです。
![「第3世代e-POWER」は燃費の改善が大きなトピックですが、性能面での進化も気になるところです[2025年2月に行った日産の「ターンアラウンド(経営改革)の取り組みの進捗発表」より(資料:日産自動車)]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/03/20250324_NISSAN_e-POWER_3rd_001.jpg?v=1742802180)
エンジンは可変圧縮比技術のVCターボが使われるそうですが、駆動用モーターの出力特性は現時点でまだ明らかになっていません。
駆動方式もFF(前輪駆動)なのか、4WD(e-4ORCE)があるのかなども、現時点は未発表です。
なかでも気になるのが、発電専用エンジンの排気量です。
現行エルグランドは、最上級グレードにハイパワーな3.5リッター V型6気筒エンジン(最高出力280ps、最大トルク344Nm)を採用しており、フル乗車時には2.4トン超にもなるクルマを矢のごとく加速させます。
重量のかさむラージミニバンと低速発進に強いe-POWERの相性は非常に良いはずですが、発電専用エンジンが排気量1.5リッターとあまりにも小さく、これで本当に爽快な走りを味わえたV6エンジンの代替ユニットとなることができるのかは気になるところ。
ミドルクラスSUV「エクストレイル」の第2世代e-POWER(1.5リッター VCターボ)は、フロントモーターが最高出力204ps、最大トルク330Nm、リアモーターが最高出力136ps、最大トルク195Nmです。
エクストレイルはエルグランドよりも300~400kg軽量であり、仮に新型エルグランドの駆動用モーターがこのエクストレイルと同じだとすると、パフォーマンスとして過不足ないのか疑問が残ります。
新世代e-POWERは駆動用モーターの出力特性がどう変わるのか、それとも変わらないのか。新型エルグランドにおいて今後注目していきたいポイントです。
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2026年に登場と説明されていますが、まだまだ未公開な部分が多い新型エルグランド。
今年11月のJMS2025でワールドプレミアされることはほぼ間違いなく、会場でも一番の「目玉」となるでしょう。
まだ明らかではない内装の仕上がりも含め、市販車のお披露目が今から非常に楽しみです。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど





















































































