ダイハツの「タフすぎ“斬新”軽トラ」がスゴい! 全長3.4mボディに5速MT搭載! 「“カクカク”デザイン」で地上高350mm超えの「マッドマスターC」とは

軽トラのレジャーユースが増えた今こそ欲しい1台だ

 マッドマスターCのインテリアも、コンセプトを反映してシンプルかつ機能的です。

 水平基調のインパネに撥水素材のシートを組み合わせ、タフな使用環境を想定。いっぽうで、当時としては先進的な大型液晶マルチディスプレイも配置し、ナビやオーディオ機能を集約するなど、日常的な使い勝手にも配慮が見られました。

3面の大型ガルウィングドアを採用した「マッドマスターC」
3面の大型ガルウィングドアを採用した「マッドマスターC」

 パワートレインの詳細は不明ですが、搭載エンジンは660ccとされ、軽自動車用ユニットと考えられます。

 センターコンソールのシフトレバー形状から、5速MTが採用されていたと推測されます。

 駆動方式は悪路走破性を重視したローレンジ付きのパートタイム4WDです。

 マッドマスターCは、そのユニークなコンセプトと比較的現実的なデザインから、市販化への期待も高まりました。

 特に四輪駆動車ファンやアウトドア愛好家からの注目度は高かったようです。

 しかし、残念ながらマッドマスターCが市販モデルとして登場することはありませんでした。

 マッドマスターCの登場から15年以上が経過した現在、日本のライフスタイルは変化し、キャンプなどのアウトドアレジャーが一般化。かつて商用利用が主だった軽トラックや軽バンが、趣味の“相棒”として広く受け入れられています。

 もしマッドマスターCが現代に登場していれば、その高い走破性、ユニークな積載性、そしてコンパクトなサイズは、まさに現在のトレンドに合致し、大きな人気を博す可能性を秘めているのではないでしょうか。

 まさに「登場が早すぎた1台」と言えるでしょう。

※ ※ ※

 ダイハツ マッドマスターCは、市販化こそされませんでしたが、当時のダイハツの技術力と挑戦的な姿勢を示す、記憶に残るコンセプトカーです。

 その斬新な発想は、今見ても色褪せることなく輝きを放っています。

 今度のJMS2025でも、マッドマスターCのように、私たちの想像力をかき立てるような「ワクワクする新しいクルマ」の提案が登場することを楽しみにしたいところです。

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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