コンパクトカーは取り回しのしやすいサイズや維持費が手頃で、価格も手を出しやすいぶん、各部の質感は少し質素な傾向にありました。
　
　いっぽう、近年はコンパクトカーながら上級車のような上質な仕立てを特徴とするモデルも増えており、そのひとつがホンダ「フィット」です。SNSでも高い評価が寄せられています。

　フィットは2001年に登場しました。ホンダならではの「低床FFプラットフォーム」により、広い室内空間を実現したほか、使い勝手のよいシートアレンジやスタイリッシュなデザインなどから人気モデルとなっています。

　現行型は4代目で2020年に発売しました。広い室内空間や使い勝手はそのままに内外装デザインの一新やパワートレインの刷新、さらに「視界」「乗り心地」「座り心地」「使い心地」などといった、「4つの心地よさ」を高めたといいます。

　パワートレインはガソリンエンジンに加え、2モーターハイブリッドシステム「e：HEV」を設定。力強い走行性能と燃費の両立を図っています。

　先進運転支援では「ホンダ センシング」を全モデルで標準装備し、安全性能も高めています。

　2022年10月にはマイナーチェンジが行われ、グレード体系の変更や、エンジン出力の向上、ホンダ センシングの機能向上、内外装デザインのリフレッシュを図りました。

　ボディサイズは全長3995-4095mm×全幅1695-1725mm×全高1515-1570mm、ホイールベースは2530mmです。

　そんなフィットですが、グレード展開はこれまでのような装備の充実度合いで差別化を図ったものとは異なり、主に内外装の仕立てを変更するといった方式を採用。これにより、ユーザーのセンスに応じて、好みのコーディネートを選べるようになっています。

　なかでも中級モデルの「HOME（ホーム）」は、シンプルながらも洗練されたスタイルが特徴です。

　インパネには触感のよいソフトパットを施し、シートは織物素材を用いることで、コンパクトカーらしくない、質感の高いものとなっています。

　さらにオプションで「ライトグレー」のカラーも用意しており、北欧家具のようなモダンなホワイトにコーディネートされます。シートはウルトラスエード／ライムスムースのコンビシートで、見た目だけでなく手触り・肌触りの良さも実現しました。

　また2023年1月、このHOMEをベースに専用内外装をあしらった特別仕様車「BLACK STYLE（ブラックスタイル）」が登場しました。

　エクステリアはブラッククロームのフロントグリルや、ブラックのサイドシルガーニッシュ・フロントロアスカート・テールゲートスポイラーなどを装備。足元も専用のベルリナブラックの15インチホイールを備え、精悍な出で立ちに。

　インテリアもブラックをメインとし、ステアリングスイッチやシフトパネル、ドリンクホルダー部などに専用ピアノブラックパネルを装着。HOMEの洗練されたイメージに、引き締まったブラックを組み合わせ、プレミアム感のある落ち着いた空間に仕上げています。

　このブラックエディションについては、SNSなどでも「お洒落でフィットのキャラに合っていて良い」「良い感じですね」「シンプルで上品」など、精悍に決めたスタイリングについて、高い評価を得ているようです。

　また、「結構お買い得だよこれ」「コスパいい」など、HOMEからわずか12万円程度の価格アップで、印象をがらりと変更したことを評価する意見もあります。

　なお、フィットは2024年9月にも一部改良を実施しており、各グレードで装備の充実化を図っています。

　フィットの価格（消費税込）は172万400円から284万6800円。ブラックスタイルは210万7600円から265万5400円となっています。