ホンダ「最上級・爆速ミニバン」が凄かった! 史上“最強”「300馬力V6エンジン」×超豪華インテリア採用! 専用サスで“走りを極めたミニバン”「エリシオンプレステージ」とは
かつてホンダは利便性の高い両側スライドドアミニバンに、300馬力の高出力エンジンを搭載したモデルをラインナップしていました。どのようなクルマなのでしょうか。
ミニバン史上最強の「V6」搭載
両側スライドドアや、使い勝手のより3列シートを持つミニバンは、ファミリーの日常の足として活躍しますが、大きなボディや重たい車体、居住空間を優先させたプラットフォームなどから、走りの良さはさほど期待できません。
しかし、かつてホンダはそんなミニバンに高出力エンジンと専用の剛性アップチューニングなどを実施した、「走れる高級ミニバン」を販売していたのです。

それが2007年1月に登場した「エリシオンプレステージ」です。
ベースとなった「エリシオン」は2004年5月に発売した3列シートミニバンで、当時の「オデッセイ」よりも上位に位置するフラッグシップモデルとしてデビューしました。
ホンダらしい低重心による走りのよさの追求や、ミニバンとしては低めで、流麗かつスタイリッシュなデザイン、「クルーザー」をイメージした豪華なインテリアなどが支持されました。
パワートレインは当初、2.4リッターの4気筒エンジンと250馬力を発揮するV型6気筒エンジンの2タイプを設定。3リッターV6エンジン車でも必要十分な動力性能を持っていました。
そして2006年12月、マイナーチェンジの実施時に新たに設定されたのがエリシオンプレステージ(以下プレステージ)です。翌年1月に発売されました。
通常のエリシオンが、切れ長のヘッドライトや小型のグリルで落ち着いたモダンな雰囲気を演出していたのに対し、プレステージでは鋭い目つきの大型ヘッドライトや大型のメッキグリル、大型フォグランプ付きの専用エアロバンパーで武装。
ボディサイドもロアガーニッシュでスポーティな装いに変更し、大径18インチホイールにより、存在感を格段とアップさせています。
リア周りも、エリシオンのすっきりした細長いテールではなく、太い大型テールランプとガーニッシュを備え、さらに4本出しマフラーを装着するなど、ギラツキを増し、全くのイメージチェンジを図りました。
インテリアも木目パネルで埋め尽くした大型センターコンソールを配し、さらなる高級感を演出しています。
そして、エリシオンとの最大の違いは、走行性能を高めた点です。
パワーユニットには最高出力300馬力・最大トルク36kgf・mもの出力を持つ3.5リッターV型6気筒の「VTEC」エンジン「J35A」型を搭載。組み合わせるトランスミッションは5速ATです。
これは当時のミニバンとして国内最大出力で、スポーツカーとしても280馬力が多かったなかでほぼ頂点といえるハイパフォーマンスぶりでした。
さらにボディ自体も走りを極めるためにフロント/リアのサスペンション取付部の剛性アップを図ったほか、専用のサスペンションチューニングも実施され、ハンドリングと走行安定性を向上。
いっぽう、空力処理や防音・制振処理や、エンジン音を低減させるアクティブノイズコントロールを採用するなど、フラッグシップモデルらしい高い静粛性も追求していました。
さらに、衝突被害軽減ブレーキ「CMBS」や車間制御機能「IHCC(インテリジェント・ハイウェイ・クルーズコントロール)」、ステアリングの切り角に応じてヘッドライトの照射を変える「AFS」など、先進機能も多数採用しています。
当時の新車価格(消費税込)は357万円から451万5000円。専用設計でありながら、エリシオンの3リッターV6エンジン車よりも30万円ほどの価格アップにとどまっていたのは、今からすると良心的といえます。
その後、エリシオンは2012年に廃止され、プレステージに1本化。2013年秋まで生産が続けられました。
直接の後継モデルは存在しませんが、現行型のオデッセイは押し出しの強いデザインに両側スライドドアを採用するなどエリシオンと統合される形になりました。なお、中国ではオデッセイの兄弟車として現在もエリシオンがラインナップされています。
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