日産が「スゴい技術」初公開! 新型「大型ミニバン」搭載で26年登場? 「エンジンどこ行った?」感ある「第3世代e-POWER」とは【試乗記】
いざ「第3世代e-POWER」に試乗! これは期待できる仕上がりか
そんな第3世代e-POWERに一足先に、日産追浜試験場内の施設「グランドライブ」で試乗させてもらいました。
車両はこれから出る新型車ではなく、海外専用モデルのキャシュカイに第3世代e-POWERを搭載したテスト車両になります。
エンジンスペックなどの詳細は未公開ですが、開発者は「ハードは第2世代とほぼ同じ(=1.5Lターボ)ですが、発電に特化させたスペックですので可変圧縮機能は外しています」と教えてくれました。
試乗時間は僅か10分(=コース2周)のみと味見程度でしたが、そのポテンシャルは走らせてすぐに理解できました。

まず、とにかく「静か」である事です。バッテリー残量が多い時はEV走行なので当然なのですが、ハイブリッド走行に切り変わってもエンジンの存在はほぼ感じません。
この辺りは第2世代もなかなかのレベルですが、そこから加速のためにアクセルをグッと踏み込んでいくと、違いは明らかになります。
第2世代はアクセル操作に対してエンジン回転が必要以上に上がってしまいますが、第3世代も同じくらい回っているはずなのに体感的にかなり低い回転で回っているように感じます。
更にアクセル操作より穏やかな回転上昇も相まって「おっ、トルクフルだね」と思うくらい無理をしていない“大人”なフィーリングです。
その時に微かに聞えてくるエンジン音も、第2世代のような軽い音ではなく低めの音で質の高さも感じるほどです。
更に速度が上がるとそのエンジン音もロードノイズ/風切り音にかき消されてしまうので、何も知らされずに乗ったら「このクルマは電気自動車なのか?」と錯覚してしまうかもしれません。
アクセル全開の急加速も試しましたが、第2世代はエンジンがかなり騒々しく回り、「走行フィールは電動車だけど、エンジンが主張しすぎだよね」と興ざめしますが、第3世代はそんな状態であってもエンジンが唸るそぶりは一切見せないどころか、遠くで囁いているようなレベルに抑えられています。つまり、全領域でエンジンが「黒子」に徹しています。
絶対的なパフォーマンスと言う意味では、今回試乗した感じではほぼ同じレベルですが、上記のような静粛性の高さも相まって多くの人は「このパワートレインは余裕あるね」と感じるでしょう。これならば上級モデルに搭載しても不満はなさそうなレベルです。

注目の高速燃費の計測はできませんでしたが、試乗中はハイスピード領域もエンジン回転数はかなり抑えられているようなので、良くなっている事を期待。
この辺りは第3世代e-POWER搭載の新型車が登場した時に、改めてテストしてみて判断したいと思います(日本向けはあの新型大型ミニバンが最初か)。
ちなみにキャシュカイに乗るのは初でしたが、いい意味でおおらかさを持つエクストレイルとは異なり“俊敏”かつ“爽快”なハンドリングはスポーティ。
プラットフォームはエクストレイルと同じCMF-Cなので、サスペンションの味付けとタイヤの設定が絶妙なのでしょう。
見た目も都市型クロスオーバーのトレンドを抑えているので、日本でしっかりPRを行なえば戦力になってくれると思うのですが。
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総じて言うと、第3世代e-POWERはシステムとしてはとても優れている事が理解できましたが、本当に大事な事はこのシステムを搭載した「商品」の完成度でしょう。
この辺りに関して開発チームに聞くと、「そこは強く認識しています。
そのための玉込めはシッカリやっていますので、期待してください」との事でした。
後はエスピノーザ氏率いる新執行チームの正しい判断(適切な商品を適切な時期に投入)を期待したい所です。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
「分類的にはシリーズハイブリッド」にならんよ。
いつまで、「走る為に開発されたエンジンで発電機を回して、モーターで走る。」という、
ガソリン車時代からある形式を当てはめるのかな?
低評価をしている事には、かわりない。
前席の下に後席乗車者の足先が入るか
まずはこちらを確認してほしい
新旧epowerノートもキックスも
後席乗車派の足の置き場がない