スズキの小型トールワゴン「ソリオ」なぜ“軽じゃないスライドドア車”が人気? 強敵ライバル「ルーミー」に“負けない”ところとは?
近年、小型車/普通車に力を入れるスズキですが、そのなかで一番売れているのが「ソリオ」です。一体どのような魅力があるのでしょうか。
ソリオがスズキの登録車で一番売れてる!
スズキは軽自動車のメーカーという印象が強いですが、2024年におけるスズキの国内販売状況を見ると、小型/普通車が18%を占めました。ダイハツの4%に比べて、スズキでは小型/普通車の販売比率が大幅に高いです。
スズキが小型/普通車に力を入れる理由は、軽自動車が薄利多売のカテゴリーで、儲けも少ないからです。
特に近年では、ホンダや日産も軽自動車市場に本格参入して、ライバル同士の競争が従来以上に激しくなりました。軽自動車規格の先行きも不透明で、スズキは依存度を下げています。

販売比率の増えたスズキの小型/普通車で、登録台数の最も多い車種が「ソリオ」です。
2024年には1か月平均で4367台を登録して、売れ行きはホンダの「フィット」や「ステップワゴン」に近いです。2024年に国内で売られたスズキの小型/普通車の内、40%がソリオでした。
現行ソリオの発売は2020年。2024年1月には外観デザインをともなう一部改良が実施されました。
そしてソリオがスズキの小型車をけん引する存在となっていて、2023年に発売されたスズキのコンパクトカー「スイフト」よりも、設計が古いソリオのほうが多く1.6倍も売られているのです。
なぜソリオの人気が高いのでしょうか。
スズキの販売店スタッフは以下のように説明します。
「ソリオは全長と全幅はコンパクトですが、背が高いから車内は広いです。運転しやすいファミリーカーですが、夫婦2人で複数の犬を飼っているというお客様も多いです。後席を格納すると、広いペットの乗車スペースになります」
スズキのラインナップでは「スペーシア」や「ワゴンR」など、背の高い軽自動車が豊富ですが、ソリオへの乗り替えはあるのでしょうか。
「軽自動車のスペーシアなどを使っていたお客様が、子供が小学生になって遠方へ出かける機会も増えて、ソリオに乗り替えることがあります。
ソリオもスライドドアを装着するため、使い勝手はスペーシアと変わらず、小型車だから加速力や高速道路での安定性が優れています」(スズキ販売店スタッフ)
ミニバンからの乗り替えはどうでしょうか。
「3列シートのミニバンから乗り替えるお客様もおられます。子育てを終えて3列目が不要になっても、開放感のある背の高いボディや便利なスライドドアは欲しい。そうなるとソリオが最適です」(スズキ販売店スタッフ)
ミニバンから背の高いコンパクトカーに乗り替える時、普通はソリオではなく、トヨタの「ルーミー」を検討するユーザーもいるでしょう。
「確かに、ルーミーと比較したうえでソリオを選ぶお客様もおられます。ソリオを選ぶ理由はさまざまですが、最も多いのは安全装備です。
ソリオの衝突被害軽減ブレーキは、右左折時にも直進車両や横断中の歩行者に反応して作動します。後方の並走車両を検知できる安全装備(ブラインドスポットモニター)もあります。またソリオは燃費も優れています」(スズキ販売店スタッフ)
ルーミーの発売は2016年なので、すでに8年以上を経過しています。そのために販売店スタッフが言うように、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能は、2020年に登場したソリオが先進的です。
燃費も同様で、ソリオのWLTCモード燃費(2WD)は22km/Lです。ルーミーの自然吸気エンジン車は18.4km/Lですから、ソリオならガソリン代を16%ほど節約できます。
しかもソリオのパワーユニットは、マイルドハイブリッドを備えた1.2リッター直列3気筒エンジンで、ルーミーの1リッターエンジンに比べて動力性能も高いです。
ソリオはステアリング操作に対する車両の挙動も正確で、峠道の下りカーブを曲がる時の安定性も優れています。乗り心地も快適です。
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