世の中に様々なボディタイプのクルマが存在しているなかで、近年SUVの人気が高く、各メーカーもその需要に応えるために、SUVラインナップを拡大している流れにあります。
　
　力強いデザインや高い走破性、そして広々とした室内空間が魅力で、多くのユーザーが日常からアウトドアまで幅広いシーンで活用できるクルマを求めています。
　
　そんななか、かつてトヨタ車体は「ジャパンモビリティショー2023」で、SUVのタフさとミニバンの使い勝手を融合させたモデルを披露し、SUVの新たな形を提案していました。
　
　一体どのようなクルマなのでしょうか。

【画像】超カッコイイ！ これがトヨタの凄い「SUVミニバン」です！（26枚）

　そのモデルとは「X-VAN GEAR CONCEPT（以下、クロスバンギア）」です。

　同車は、トヨタ車の企画・開発・生産を手掛けるトヨタ車体が、「多様化するライフスタイルに寄り添い、誰もが人生を楽しめる次世代のキャブワゴン」というテーマのもとに生み出したコンセプトモデルです。

　ミニバンの快適さとSUVの実用性を兼ね備えた、これまでにない新しいカテゴリーのクルマを目指したといいます。

　ボディサイズは全長4695mm×全幅1820mm×全高1855mmと、現実的なミニバンサイズに収まっており、3列シート6人乗りのレイアウトを採用。

　家族や友人とのお出かけにも十分対応できる仕様となっています。

　エクステリアには、角張ったフォルムに艶消しブラックのバンパーとフェンダーを組み合わせたデザインを採用し、SUVらしいタフで頼もしい印象を与えます。

　それでいて、前後両方にスライドドアを採用しながら、一般的なスライドドアに見られる「レール」が見えない工夫が施されているのもポイント。

　これらの、ミニバンの実用性とSUVの力強さを両立させたデザインは、見る人の心をつかむ魅力があります。

　内装に目を向けると、まるで自宅のリビングにいるかのような心地よさが広がっています。

　運転席周りはシンプルで操作しやすく、明るい色調のソファーのようなシートと開放感のある天井が特徴です。

　このデザインは、長時間のドライブでも疲れにくく、乗員をリラックスさせてくれます。

　特に注目したいのは、Bピラーがない大開口の前後スライドドアです。

　この構造によって、自転車や釣り竿といった大きめの趣味の道具を楽に積み込めるようになっており、特にアウトドア派のユーザーには嬉しいポイントといえるでしょう。

　さらに3列に配されたシートは、助手席を回転させたり、2列目をテーブルに変えたりと、用途に応じて6つのシートアレンジが可能です。

　例えば、家族での旅行では全員がゆったり座れる配置にしたり、荷物が多いときはスペースを広く取ったりと、柔軟に使い分けられます。

　この多機能性は、ライフスタイルが多様化する現代にぴったり合った設計と言えるでしょう。日常使いから週末のレジャーまで、シーンを選ばず活躍してくれそうです。

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　クロスバンギアの特徴をまとめると、「前後スライドドアによる優れたアクセス性」「Bピラーレスで大きな開口部」「多彩なアレンジが可能な3列シート」が挙げられます。

　ミニバンもSUVと同様に、今や人気の高いカテゴリーですが、その両方の良さを1つにまとめたクルマは意外と少ないものです。

　そんななかで、クロスバンギアのようなコンセプトが市販化されれば、ミニバンやSUVの枠を超えた新しい選択肢として、多くのユーザーの心を掴む存在になることでしょう。