キャデラック新型「リリック」発表! 全長5m級ボディ&旧車デザインも採用! 史上初の“EV”実力は?

キャデラックの新デザイン具現化

 リリックのデザインは、これからのキャデラックのデザイン言語を具現化したもの。たとえばヘッドライトは、昨今のキャデラックの特徴である“縦型”をひときわ強調したもので、縦にLEDを並べているのが特徴です。

旧いキャデラックのデザインも息づく
旧いキャデラックのデザインも息づく

 いっぽうでウインカーは水平方向に延びる形状とし、大きなグリル(BEVなので実際には穴が開いていない“シールド”)を組み合わせるのが個性的であり、鋭い処理が先進性を感じさるではないですか。

 リヤセクションは、リヤウインドウ下のウインカーから伸びる“光るライン”がDピラーまでつながっていること、そしてブレーキランプがバンパーのエッジに“縦型”で組み込まれているのが特徴的で斬新。後述するように、後者はかつての旧いキャデラックをモチーフとしたデザインでもあります。

 いずれにせよ、大きなボディと相まって圧倒的な存在感を醸しています。

室内広々でセダンとしての新しい形

 実際に車内へ乗り込んで感じるのは、前席は見晴らしの良さと開放感。後席は圧倒的な広さです。

 後席は足をゆったり置けるひざ回りスペースが用意されているし、一般的なセダンと違って頭上に余裕があることを実感。ロングホイールベースと高い天井の恩恵です。

 そして後席のシートは、座った感触もコンフォート。表面がふっくらとしていて柔らかく、沈み込み感が絶妙なのです。この特別な心地よさは絶品といっていいでしょう。

EVだから…というだけじゃない異様なまでの静粛性を誇る
EVだから…というだけじゃない異様なまでの静粛性を誇る

恐ろしいまでの静けさ

 実際にテストドライブして驚いたのが静粛性。「エンジンがなくモーターで走るんだから静かで当然」という意見はごもっともですが、その静かさがとんでもないレベルなのです。

 単にエンジン音が消えて静かというだけにとどまらず、タイヤノイズなどが本当に聞こえないのですから。

 理由はいくつかありますが、まず窓ガラスはフロントに加えてサイドも2重ガラスになっており、加えてリヤウインドウは遮音性のために5mmという厚いタイプを採用。窓から伝わる音を徹底して遮るのです。

 またボディはインテリアトリムの裏側などに吸音材を惜しみなく貼るなど徹底した吸音/遮音処理を実施。タイヤはパンクした時に内部の半液体素材が穴を塞いで空気が漏れるのを防ぐセルフシーリングタイプですが、それも路面の継ぎ目のノイズを減らす効果があるのだとか。

 そのうえ、搭載されている「次世代アクティブノイズキャンセレーション」システムは、従来のようにエンジンノイズに対応するだけでなくキャビン内にいくつもあるマイクを総合的に活用して室内のノイズを低減。とにかく音がなく、まるで幽霊が歩くようです。

 気になる走りはどうでしょう。前後に搭載した2つのモーターが発生するシステム出力はトータル522ps。これはコルベットのベースモデルよりもハイパワーです(車両重量は2580kgありますが)。

 当然ながらアクセルを踏み込めば速いのですが、気が付いたのは単なる速さだけを基準としていないこと。アクセルを踏み込んだ際、これまでのハイパワー系BEVではあまり感じられなかった「伸び感」がリリックにはしっかりある。つまりアクセルの踏み込みが「速さ」だけでなく「気持ちいい」のです。

「ドン!」と急に背中を押される感じではなく、スーーーッ!と伸び感や盛り上がりがあるのがいいですね。

 ところでこのリリックに込められているのは、新しさだけではありません。たとえばダッシュボード上にある33インチと大型で横長のメーター&センターディスプレイは、1967年式の「キャデラック・エルドラード」に採用された横長メーターのオマージュとなるデザイン。またDピラーやそこに埋め込まれたランプも、同車のテールフィンをイメージさせるものです。

 新しいけど、ヘリテージ。リリックは新しい時代の扉を開くBEVモデルであるとともに、しっかりとキャデラックの伝統を守っているといっていいでしょう。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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