最新「“お手頃”EV」どれがいい? 600万円級「テスラ・ボルボ・BYD」イッキ比較! それぞれの“違い”とは【試乗記】
いち早くEV化に舵を切ったボルボの最もコンパクトなSUV
●ボルボ「EX30」
さて最後は、日本の道路事情にピッタリの全長4235mm、全幅1835mmというコンパクトサイズで、立体駐車場にも入れやすい全高1550mmのボルボ EX30。
オシャレでありながらリサイクル素材およびバイオ素材のプラスチック使用率を17%、リサイクルアルミニウム使用率を25%、リサイクルスチール使用率を17%使用し、ボルボ史上最もカーボンフットプリントの少ないクルマでもあります。

内外装では、たとえばフロントマスクにボルボ伝統のトールハンマーライトが印象的な表情を作りつつ、ライトから下へと続く黒いグラフィックは空力性能に貢献するエアカーテンとなっており、ホイールアーチまで効率よく空気を流すという工夫が。
航空機のようにボディの上下に空気を流すことも考慮したルーフラインは、オニキスブラックを採用してSUVとしての存在感を表現。リサイクル性をよくするため、あえて塗装をしない樹脂パーツや、製造過程の負荷を減らすフレームレスのサイドミラーといった、数々のこだわりが見受けられます。
インテリアはペットボトルのリサイクル素材や自然由来の素材、製造過程で発生する端材や廃棄物から作られた素材を使うという、とても難しいチャレンジによって仕上げられていますが、そうとは思えないセンスの良さがボルボらしいところ。
しかも、ダッシュボードのボリュームを抑えながら、インパネ正面にサウンドバーを配置し、そこにすべてのスピーカーを集約することでドアへの配線をなくし、大きなドアポケットを設けるといった工夫が随所にあります。
縦型の大きなGoogleインフォテインメントも、使いやすさと安全性を両立しているところがさすがです。
試乗車はバッテリー容量69kWhで航続距離が560km(WLTCモード)の「EX30 Ultra Single Motor EXtended Range」。
走り出しからしっかりとした接地感がありながら、とても軽やかで余裕の加速フィールです。
適度な手応えのあるステアリングフィールが安心感を与えてくれますが、ここぞというところで踏み込めば鋭い加速も瞬時に引き出せます。
最小回転半径が5.4mという取り回しのよさも体感できました。
後席のスペースと通常で318リットルのラゲッジは必要十分といった印象で、カップルまたは3人家族程度での利用がオススメにはなりますが、バッテリーマネジメントが優秀で長距離ドライブもしやすく、都心部に住みながらたまに遠出をするようなライフスタイルにピッタリのEVとなっています。
EX30の価格は559万円です。
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セダンのシール、クーペSUVのモデルY、コンパクトSUVのEX30とカテゴリーが異なる今回の3台ですが、それぞれのカテゴリーでライバルと比べても満足度、コストパフォーマンスともに優秀でした。
それぞれ異なる強い個性も備えており、初めてのEVとしてどれを選んでもオススメといえます。
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