最新「“お手頃”EV」どれがいい? 600万円級「テスラ・ボルボ・BYD」イッキ比較! それぞれの“違い”とは【試乗記】
日本自動車輸入組合(JAIA)主催の第44回「JAIA輸入車試乗会」で、カーライフジャーナリストのまるも亜希子さんが、今注目の500万円から600万円級の輸入EV(電気自動車)3モデルを比較試乗しました。どのような違いが浮き彫りになったのでしょうか。
みんな違って「みんなイイ!」明確な個性が光るEV3モデルに試乗
毎年恒例となった日本自動車輸入組合(JAIA)主催の「JAIA輸入車試乗会」も第44回となりました。
世界各国からやってくる輸入車をイッキ乗りできるこの試乗会、今回は注目の500万円から600万円級の輸入EV(電気自動車)3モデルについて徹底比較します。

いろんなものが価格高騰するご時世ですが、少し前からEVの世界では価格破壊が起こりつつあります。
その牽引役を担っているのが、世界での電動化モデル販売台数でトップに躍り出たBYD。それに対抗するように、これまで高級路線できていたテスラも、手が届きやすい価格帯のモデルを拡充してきています。
また、早くから電動化モデルへの移行を打ち出しているボルボも、ボルボ史上最小SUVにして最もリーズナブルなモデルをリリースしました。
今回はお手頃価格でサイズも扱いやすいこれらのEV、BYD「シール」とテスラ「モデルY」、ボルボ「EX30」を乗り比べてみました。
●BYD「シール」
まずシールは、メルセデス・ベンツやアウディをデザインしていたデザイナーによる、海洋美をテーマとした斬新で上質なエクステリアデザインによって、圧倒的な個性をもたらしているeスポーツセダンです。
EVならではのグリルレスフェイスを採用しながら、テスラほどは世間離れしている感覚ではなく、フレンドリーさがあるのも特徴。
全長5800mm、全幅1875mmというサイズは都心部では大きめですが、ロングドライブが多い人にとってはちょうどいいサイズといえます。
室内に入ってまず感じるのは、ルーフ一面に広がる大きなガラスルーフ。後席のレッグルームがあまりにも広く、ゆったりと座りながら空を眺める贅沢な時間が流れます。
もちろんUV&IRカットガラスですが、真夏に試乗した時はやや暑いと感じ、サンシェードが欲しくなった記憶があります。
トランクに脱着式のシェードが収納されていますが、真冬の今回はガラスに触れてもひんやりとしており、室内が暑いと感じることもなく快適でした。
運転席に座ると、後席の印象とは一変してスポーティな空間に変わります。
eスポーツから着想を得ている包み込むようなシートと、縦横が回転する巨大なディスプレイに最小限の物理スイッチという、未来的なコクピットが広がっています。
ステアリングとシフトレバーまわりに物理スイッチが集中して配置してあり、個性的なシフトレバーなどのデザインがポイントです。
シールにはRWD(後輪駆動)で航続距離が640km(WLTCモード、以下同)のモデルと、AWD(四輪駆動)で航続距離が575kmのモデルがあり、バッテリー容量はどちらも82.56kWhとなっています。
今回の試乗車はAWDモデルで、走り出すとほどよい重厚感がありながら、その気になれば一瞬で俊足を見せてくれる二面性に引き込まれていきます。
発売直後は少し硬いと感じた乗り心地も、今回は市街地だけでしたがしっとりとした上質感が出ており、これなら後席の使用が多いファミリーにもおすすめできると感じました。
シールは走る楽しさと速さ、静粛性や乗り心地の良さといった快適性の部分が、ガソリン車ではなしえないレベルで融合している新世代セダンとなっています。
シールの車両価格(消費税込み)は、528万円(RWDモデル)から605万円(AWDモデル)です。
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