三菱の新「コンパクト“SUV”ミニバン」がスゴい! 全長4.6m級の「ちょうどイイサイズ」! タフ顔もカッコいい“アセアン”モデル「エクスパンダークロス“HEV”」日本導入の可能性は?
ASEAN市場で高い人気を誇る三菱のミニバン「エクスパンダー」は、SUVテイストのデザインと優れた実用性を両立する魅力的なモデルです。国内導入の可能性について探ります。
SUVテイスト強めな個性派コンパクトミニバン
三菱がASEAN(アセアン:東南アジア諸国連合)地域で展開する「エクスパンダー」シリーズは、3列シートのコンパクトなミニバンモデルです。
2024年にはハイブリッドモデルも新設定され、日本でも人気を集めそうなエクスパンダーの特徴について紹介します。
![タフなマスクもカッコいい![画像は三菱「エクスパンダークロスHEV PLAY」]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/03/188923c4b6c19d48f29e8e7149aaa4bd.jpg?v=1742788621)
エクスパンダーは、2017年に東南アジア市場でデビューした3列シート・7人乗りのクロスオーバーミニバンです。
全長4595mm×全幅1750-1790mm×全高1730-1750mmというサイズは、日本の道路事情にも比較的マッチする実用的な設計となっています。
なかでも、SUVテイストをさらに強調した「エクスパンダークロス」は、特に注目されるモデルといえます。
ルーフレールや樹脂フェンダー、大径タイヤを装備し、最低地上高はガソリン車で最大225mmを確保。都市部からアウトドアまで対応できる万能型モデルです。
2024年には待望のハイブリッドモデル「エクスパンダー/エクスパンダークロス“HEV”」が登場しました。
通常モデルは1.5リッターガソリンエンジン車なのに対し、HEVモデルは1.6リッターエンジンと85kWモーターを組み合わせた三菱独自の新開発ハイブリッドシステムを搭載し、市街地では従来比34%の燃費向上を実現しています。
発進・低速域はEVモード、登坂や加速時には発電併用モード、高速走行時にはエンジン主体と、状況に応じた制御を行います。
加えて、三菱独自の車両運動制御技術「AYC」や7つの走行モード、撥水シートやリアクーラー、USBポートの充実など、快適性と走破性を両立する装備群も魅力です。
2025年3月には、精悍なブラックアクセントが特徴の特別仕様車「エクスパンダークロスHEV PLAY」も登場。さらなる個性を打ち出すモデルとして注目を集めています。
タイ市場における車両価格は、エクスパンダーが79万9000バーツ(約352万円)、エクスパンダークロスが91万9000バーツ(約405万円)、そしてハイブリッド仕様のエクスパンダークロスHEVが96万1000バーツ(約423万円)から。
さらに特別仕様車HEV PLAYは98万1000バーツ(約430万円)に設定されています。
これだけ魅力あるモデルでありながら、現時点で三菱はエクスパンダーの日本導入に否定的な立場を明確にしています。
その背景には複数の理由があります。
第一に、日本の安全・環境規制への適合コストが高いことが挙げられます。
ASEAN市場向けに最適化されたエクスパンダーを日本仕様に適合するには、衝突安全基準や排ガス規制への対応で大幅な設計変更が必要となり、費用対効果の観点から難しいようです。
第二に、日本市場のニーズとのズレが挙げられます。
特に子育て世代に根強い人気を持つスライドドアを採用しておらず、ヒンジドアとなっている点は致命的で、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」といった競合に比べて大きな不利となります。
とはいえ、将来的に導入の可能性がゼロとは言い切れません。
たとえば、三菱がアライアンスと共同開発する次世代プラットフォームをベースに、日本の市場環境にも適合させたスライドドアの新型コンパクトミニバンを投入するというシナリオが考えられます。
この場合名称は変わる可能性もありますが、エクスパンダーの設計思想やHEV技術が生かされる可能性はあるでしょう。
※ ※ ※
2025年5月8日、三菱は2024年度通期決算を発表しました。
その際、将来の商品展開に関する発表資料におけるアセアン地域向けのラインナップとして、2025年以降の商品強化の取り組みとして「次期エクスパンダー」の記載がシルエット画像とともに掲載されていました。
具体的な仕様や導入時期といった具体的な言及はありませんでしたが、三菱社内ですでに次期モデルのプロジェクトが動いているのは間違いなさそうです。
コンパクトな3列シートミニバン需要が根強く存在する日本において、スライドドアを備え、燃費性能と価格のバランスが取れた次期エクスパンダーが登場すれば、受け入れられる土壌は十分にあるといえるでしょう。
しかもSUVに強い三菱らしいクロスオーバーテイストのモデルは、独自の個性として大きな強みになりそうです。
今後の展開に期待しておきましょう。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

























































