都心部の「ものすごい崖地」にトンネルぶち抜く!?「環状第4号線」未開通部の「目白台バイパス」工事現場は今どうなっているのか
「悲願の南北軸」トンネルの開通効果は
ちなみに現在は、早稲田と目白台をつなぐ急坂「小布施坂」が、事業現場のすぐ西側にあります。上ってみると脚の筋肉にも相応の負荷を感じます。一方で、東京の古き良き街並みで情緒を感じさせる場所でもありました。

「小布施坂」の由来は、証券取引で財を成した小布施新三郎という人の屋敷があったことにちなむそうです。明治時代に証券会社である小布施新三郎商店を創業。千葉銀行系の証券会社として現存する「ちばぎん証券」は、この流れを受け継ぐ会社であるといいます。
小布施坂の頂上部には、不忍通りが目白通りに接続してT字路で終わっています。将来的には不忍通りの途中からアンダーパスが始まり、そのまま崖をぶち抜いて早稲田へ直結することとなります。
頂上部の交差点でも新たな道路用地が確保されていますが、建設を担当する東京都第六建設事務所は「トンネルの両側の側道が目白通りと接続する部分として、交差点を広げる必要があるのです」と説明します。
この未開通部「目白台工区」は、新宿方面と文京区方面をつなぐ悲願の大動脈ルートとなり、沿線区などから開通へ期待する声が上がっています。
新宿区内でも未開通部はあるのですが、ひとまず現在でも、早稲田通り~新目白通りの南北軸がつながっています。そこから北が大変で、武蔵野台地の苛烈な崖地形が、道路整備を阻んでいました。周辺の南北軸といえば、都電荒川線が駆け上がる明治通りくらいしかありません。こちらも池袋駅前をバイパスする環状第5号線の「雑司ヶ谷バイパス」がようやく工事本格化しているところです。
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ちなみに環4では、目白台の先の開通済みの不忍通りでも、文京区の本駒込エリアで拡幅が行われる予定で、設計や協議が進められているところです。
近隣の目白、護国寺、雑司が谷は、著名企業のオフィスや観光地があり、またターミナル駅が立地する池袋エリアとも極めて近いため、相応の交通量があるエリアです。新ルート開通と拡幅は交通をよりスムーズにすると期待されます。
同事務所の担当者も「道路ネットワークの整備により交通環境が円滑化され、その他にも防災面での機能性、歩道の拡幅による歩行者の安全確保が図られるといったメリットがあります」と話します。
「本格的に工事が始まるのはこれからで、周辺道路を利用されるみなさま、都民のみなさまにもご協力をお願いできればと思います。私たちも早期に開通できるよう、努力していきます」
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