思わず二度見! トヨタ「“斬新”コンパクトカー」がスゴイ! 超ユニークな「ニョキニョキ」ヘッドライト搭載! “秘蔵”コンセプトモデルの“でんでん虫マシン”「サイオンNYC」とは
トヨタアメリカ法人は、キャルティデザインリサーチが手がけたコンセプトモデルでお蔵入りになっていた「サイオンNYCコンセプト」を公開していました。どのようなモデルなのでしょうか。
日の目を見られなかったコンセプトモデルは多数…
世界各地で開催されるモーターショーでは、実にさまざまなコンセプトモデルが出展され、これから先に登場する新型車への期待を高めてくれます。
しかしながら、自動車メーカーが企画・開発するコンセプトモデルは、そのすべてが日の目を見るわけではありません。お蔵入りとなってしまったコンセプトモデルは無数に存在します。
そんな日の目を見なかったコンセプトモデルの中で、“目が点”になった1台をご紹介します。

2023年、トヨタアメリカ法人は「キャルティデザインリサーチ」が手掛けたコンセプトモデルでお蔵入りになった「サイオンNYCコンセプト」の画像を公開しました。
キャルティデザインリサーチは、トヨタがアメリカ市場のニーズに合ったデザインを開発するために、1973年にカリフォルニア州に設立したデザイン拠点です。「キャル」はCalifornia(カリフォルニア)の頭3文字で、アメリカ西海岸で生まれた自動車文化やそのデザインテイストなどにも使われる言葉です。
キャルティデザインリサーチは、日本市場でも販売される数多くのクルマのデザインを担当してきました。
その代表作は、2代目「セリカ」(1977〜81年)、初代「エスティマ」(1990〜2000年)、3代目「ソアラ」(1991〜2000年)、初代「プリウス」(1997〜2003年)、「FJクルーザー」(2010〜2023年)などがあり、コンセプトモデルでは、2017年発売のレクサス「LC」の原型となった「LF-LC」、2019年発売の「GRスープラ」の原型「FT-1」などがあります。
このような経歴をもつキャルティデザインリサーチが、設立50周年を記念した企画の一環で、“Hidden Gems(隠れた宝石)”と題してこれまでにお蔵入りとなってしまった5車種のコンセプトモデルの画像を公開、そのうちの1台が「サイオンNYCコンセプト」(2012年製作)でした。
サイオンとは、米国トヨタが2003から2016年に展開していた若年層向けのブランドです。このとき、北米では「ジェネレーションY」と呼ばれる若年層の人口が増加傾向にあり、都会的でファッショナブルなクルマを販売するブランドを新たに設立したものでした。この時期は、いわゆる大衆車が「トヨタ」、高級車が「レクサス」、若年層向けが「サイオン」という3ブランド体制で展開されていました。
サイオンNYCコンセプトのデザインは、思わず二度見してしまう非常に奇抜なものでした。
フロントエンドにニョキニョキと生えた2本の角はLEDヘッドライトで、ブラックアウトされたグリルと相まって、まるでカタツムリのようにも、カエルのようにも見えます。
この特徴的なデザインは、車名のNYC(New York Cityの頭文字)のとおり、歩行者の多い大都市交通のあり方を見据えて企画されたものでした。
垂直に近く高い位置に備えるフロントウィンドウは、通常のシートとは異なる、壁やフェンスにもたれるような姿勢になる独自の「フェンスシート」の採用により、ドライバーの視線は歩行者の視線と同等の高さとなり、アイコンタクトが取りやすくなっています。
また、ドアガラスの下前方は大きくステップダウンしており、側方視界を広げて交差点などを曲がるときの歩行者安全確保に寄与しています。
さらに、低いフロントバンパーの両端から生えた角状のヘッドライトは、コーナーポールのように、車両感覚を掴みやすくする効果もあるとのことでした。
このような仕様は、人が多い狭い通りもスマートに走れて、車名の通りNew York Cityとの調和を狙ったものでした。
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残念ながら日の目を見られなかったコンセプトモデル、また、日の目を見ても市販化に至らなかったコンセプトモデルが多数あったことを思うと、いま街を走っているクルマが、いかにさまざまな困難を乗り越えて市販化に至ったのだろうと、なんだかロマンと愛おしさを感じてくるのではないでしょうか。
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