ガソリン高騰の今、価格が安い「軽油」は本当にお得なの? ディーゼル車の「維持費」実は安くない!? “コスパ最高”とは一概に言えないワケ

ディーゼルエンジンの「デメリット」は?

 ただしメリットばかりでないのも事実です。

 ディーゼルエンジンはその構造上、どうしても騒音と振動が大きくなってしまいますし、ガソリンエンジンと比べて排気ガスに含まれる煤(スス)の量が多くなるとも言われています。

 昨今のクリーンディーゼルは、技術の進歩により騒音や振動をかなり抑えられるようになりましたが、それでもガソリンエンジンと比較すると、独特のガラガラ音が気になるかもしれません。

マツダのディーゼルエンジン
マツダのディーゼルエンジン

 また、排気に含まれる有害物質に関しては、近年では新たに「尿素SCRシステム」と呼ばれる浄化機能システムの採用などで環境性能が向上。

 ただし、この尿素SCRシステムで使用される専用の尿素水「アドブルー」(無色透明で無臭)は、定期的に補充しなければならないという手間が発生します。

 つまり、ディーゼルは燃料費こそ安価で済みますが、実はオイル交換では安いものは使えず、フィルターやアドブルーなども純正品が基本となるため、意外に維持費がかかります。

 しかも同じ車種であれば、ガソリンエンジン車よりもディーゼルエンジン車のほうが車両価格も高いため、結果として割高になってしまうこともあります。

 では、現役の整備士T氏に、ディーゼルエンジン車で注意すべき点を聞いてみました。

「もっとも注意していただきたいのは『燃料の入れ間違い』です。ディーゼルエンジンにガソリンを誤って給油してしまうと、エンジンに燃料を送る噴射ポンプに大きな負担がかかります。

 その噴射ポンプが故障すると噴射ノズルも故障、結果としてエンジンが壊れてしまいます」

 間違って給油してしまった場合は、給油直後の発車前なら給油所のスタッフに燃料の抜き取りなどを依頼しましょう。

 もし走り出してしまった場合は、速やかに安全な場所で停車、ロードサービスなどでレッカー移動を依頼したほうがいいとのことです。

※ ※ ※

 また、寒冷地では、気温によって軽油が凍結したりフィルターが目詰まりを起こすことがあります。

 目詰まりの原因となる『パラフィン(燃えカスのようなもの)』を固まらないようにする添加剤が含まれた、寒冷地仕様の軽油を入れる必要があることも忘れてはいけません。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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