マツダの「小さな高級車」は贅沢インテリアが最高! 上質感あふれる「本革シート」も標準装備! 全長4mボディに“豪華内装”詰め込んだ「ベリーサ」は今注目すべき1台!
マツダは「ベリーサ」という高級志向のコンパクトカーを展開していました。一体どのようなモデルで、なぜ消滅してしまったのでしょうか。
マツダ本気の「高級コンパクトカー」!
マツダのコンパクトカーといえば、約30年に渡ってラインナップされている「デミオ(現マツダ2)」が思い浮かびますが、一方でデミオ以外にも個性的なコンパクトカーが存在していました。

そのモデルの名は「ベリーサ」。2004年に発売されたセミトールワゴンです。
このベリーサのプラットフォームは2代目デミオのものを活用して開発されていますが、全長などのボディサイズはベリーサの方が大きく設計されており、ポジションとしてはデミオよりも高級志向を意識したモデルとなっていました。
そのため、当時まだ珍しかったアドバンスドキーを標準装備するほか、さらに本革シートやHDD内蔵のミュージックシステムといったハイグレードな装備もオプションに設定。
さらに走行時の快適性を高めるため、車内空間を広々と確保するとともに防音材を多用し静音性を向上。ひとクラス上のコンパクトカーに相応しいハイレベルな構造を採用しています。
パワーユニットには全グレードに、最大出力113馬力・最大トルク14.3kgf・mを発揮する1.5リッター直4エンジンを搭載。
これに4速ATを組み合わせて軽快な走りを実現し、駆動方式はFFと4WDから選択可能でした。
このように、快適で高品質なインテリアとマツダらしいスムーズな走行性能を兼ね備えたベリーサは、その内容が高く評価され、2004年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」において特別賞「ベストバリュー」を獲得。
同年12月には800台のみの限定車を発売するなど、積極的に販売台数の拡大を目指します。
しかしマツダの想定したほどベリーサの販売は伸びず、まさかの苦戦に見舞われることに。
これには2つの理由が考えられますが、まず完全な新規モデルゆえに知名度の低さがウィークポイントになりました。
さらに同じマツダ内に存在するデミオが競合モデルとなってしまったことも、ベリーサの苦難を招いた要因でしょう。
そもそもデミオ自体、ベーシックカーでありながら走りから品質まで高次元で完成されたクルマだったので、とくに不満もなくそちらを選ぶユーザーが少なくなかったのです。
この事態を挽回するためマツダは、ベリーサの訴求力を高めようと奮闘。
先述した当初オプション設定の本革シートを、なんと標準装備にするなど、贅沢な改良を積極的に繰り返します。
しかし残念ながら現状を大きく打開することはできず、2015年には後継モデルも用意されぬままベリーサは生産終了となりました。
ベリーサの販売期間は11年と、1代のみで姿を消したクルマとしては長期モデルでもあります。
後にブランドそのものを高級志向にシフトした現在のマツダを見るに、ベリーサは「誕生が早すぎたクルマ」として今こそ注目すべき1台と言えるでしょう。
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